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ホーム > 未分類 > 【ラブライブ!】真姫「もう星が数えられなくなっても」

【ラブライブ!】真姫「もう星が数えられなくなっても」

2016年01月05日 12:11:58 , JST | 未分類
:名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:09:39.02 ID:0I/M9hL90


ある日の帰り道、凛は突然夜空を指さして声を上げた。

「あっ、おっきいお星さまが三つ並んでるにゃ!」



:名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:09:39.02 ID:0I/M9hL90

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    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:10:42.05 ID:0I/M9hL90


    「凛ちゃん、あれはオリオン座っていうんだよ。」
    花陽はもふもふの手袋に温い息を吹きかけながら、微笑む。

    「へぇー。かよちん物知りだにゃ!」

    「正確に言えば、そのオリオン座の、ベルトの部分ね。」
    私も暖かい毛糸のマフラーのうえから息を吐いて、そう付け加える。

    「真姫ちゃんも物知りだにゃー。」

    「っていうか、中学の理科でやったはずでしょ……。」

    「うーん、凛は寝てたからわかんないや。」

    「まったく……。」
    あはは、と花陽の苦笑いする声が聞こえた。



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:16:06.25 ID:0I/M9hL90


    昔から、夜空が嫌いだった。

    正しく言えば、音ノ木坂の夜空が嫌いだった。

    理由は明快である。

    そこには星がないのだ。

    春も、夏も、秋も。夜空が嫌いだった。

    むせ返るような都会の空気は、きらきら光る夜空の星達をひどく毒々しい靄で押し殺している。



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:20:41.62 ID:0I/M9hL90


    唯一、冬の夜空は好きだった。

    理由は明快である。そこには星があるからだ。

    星空とまでいかないが、冬のよく澄んだ透明の硝子のような空気は、

    いくらかの星々を都会の夜空に顕在させるのには十分だった。

    よく晴れた冬の夜には、父に買ってもらった望遠鏡を引っ張り出して、天体観測をした。

    夏に地方の避暑地で天体観測をする事もあったが、望遠鏡を通して観るのは大抵、冬の夜空だった。

    他に特別な趣味は何一つ無かったので、人に趣味を聞かれた時は「天体観測が趣味よ。」なんて、よく言っていた。



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:25:41.60 ID:0I/M9hL90


    ある日の帰り道、凛が低い夜空を見上げて言った。
    「あ、またあのお星様達だにゃ。」

    「オリオン座よ、凛。」
    先日よりも更に冷たくなった空気に唇を震わせながら、私は静かに正した。

    「うん。あれがオリオン座のベルト、なんだよね?」

    「何よ、覚えてるじゃない。」

    「ふふん、当然にゃ。」

    「へぇ。てっきり忘れたかと思ってたわ。」

    「にゃっ……。」



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:30:15.90 ID:0I/M9hL90


    私と凛が二人でいがみ合いを始めようとしていたその時、それまで黙っていた花陽が、ゆっくりと口を開いた。
    「ねえ真姫ちゃん、オリオン座のベルトって、どういうことなのかなぁ……?」

    「あっ、それは凛も気になるにゃ。」
    さっきまで私を全力で威嚇していた凛も、いきなり借りてきた猫みたいに大人しくなって、私の方を向く。

    「……簡単に言えばね、神話上の人物に、オリオンっていう人がいるの。」

    「オリオンは力持ちで、ギリシャで一番の狩人だったんだけどね。ある時、サソリの毒にやられて死んでしまうの。」

    「死後、天上に登ったオリオンは、星座になって……。ほら、あの三つの星の周りの星達を結ぶと、砂時計みたいな形が出来るでしょ?」
    そう言って私は、かつかつと靴音を鳴らしながら、遠くのビルの上にある星々を指差す。

    「あれがオリオン座。まぁ、花陽は知ってるでしょうけど……。」



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:36:27.50 ID:0I/M9hL90


    「……オリオンさん、かわいそうだねぇ。」

    「うーん。ねえ真姫ちゃん、なんで死んじゃったら星座になるのか、凛はよく分からないよ。」

    「そういうものなのよ。」

    「そういうものかにゃ。」

    「で、あの三つの星をオリオンの付けていたベルトに準えて、そう呼ぶ、ってわけ。」

    凛と花陽はひどく冷えた空気にも関わらず、暫く口をぽかんと開けて、オリオン座を見ていた。

    二人が何を考えていたのかは、よくわからない。

    私も分厚いマフラーに顔を埋めて、ビルの光に目を細めながら、ゆっくりとオリオン座を見上げた。



    :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:41:38.57 ID:0I/M9hL90


    ある日の帰り道、凛が少し高い夜空を見上げて、呟いた。
    「今日もオリオンさん、出てるにゃ。」

    「冬だから、そう珍しい事じゃないわよ。」
    そう言って私は、ひとつ、ぶるりと震えた。
    真冬特有の肌を刺すような鋭い冷気が時々風に吹かれて、私の脳髄までを刺激しているようだった。

    「でも、やっぱり綺麗だねぇ。」
    花陽は可愛らしいウールの耳当てを深く付けて、白い息をすぅすぅと吐いている。

    「……急ぎましょう。ラブライブの準決勝も近いのよ。」
    凛と花陽がまた立ち止まって星々を眺めようとするので、私はそうやって二人を急かして、歩き出した。



    10 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:45:44.98 ID:0I/M9hL90


    「あっ、真姫ちゃん待つにゃー!」
    そう言って凛が身体の全体重で私に抱き着いてくるものだから、思わずぐらりと足元が揺らいでしまう。
    ひとりの人間の体温がぴたりと触れ合った部分に伝わって、それは確かに暖かかったのだけど。

    「ちょ、ちょっと……!花陽、なんとか言ってよ!」

    「うーん、私は……こういう時こそ、ゆっくりしてみても良いんじゃないかな、って思うな。」

    「は、花陽……。」

    「ねっ、ちょっとだけにゃ?」
    そう言って凛が指さした先には、以前より輝きを増したオリオン座が、敢然と輝いていた。

    「そういえば、明日の夜は雪が降るって。天気予報で言ってたわ。」
    「……遅くなり過ぎないようにしましょう。」
    私はやれやれという仕草をして、二人の隣で夜空を見上げた。
    きっとそれは、ひどくわざとらしい仕草だったのだろう。



    12 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:51:54.81 ID:0I/M9hL90


    ある日の帰り道、凛は夜空を見上げて星を数え始めた。
    「星が、ひい、ふう、みい……いっぱいにゃ。」

    「ちょっと、最後まで数えなさいよ。」

    「うーん、凛が数えるにはちょっと多すぎるかな。だから星空があるって事でいいにゃ。」

    「……星空さん、それ駄洒落なの。」

    「ぷっ……ぷふふっ……。」
    左を見てみると、花陽が柔らかそうなマフラーに口を埋めて、必死に笑いを堪えている。
    花陽のツボはよく分からない事が多い。今回のは特にそうだった。

    「かよちん笑いすぎにゃー。たまたまだよ。」

    「だ、だってぇ……。」



    13 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 00:58:41.43 ID:0I/M9hL90


    「まったく……。そんな適当じゃなくて、有名な星だけでも覚えておきなさいよ。」

    「ゆ、有名……?」
    花陽はやっと笑いをくすくす程度に収めながら、興味ありげに私の顔を覗き込んでくる。

    「ほら、あれがリゲルで、あれはベテルギウス。」
    そう言って私は、夜空の天頂近くに浮かぶオリオン座のα星とβ星を順番に指でさし示す。

    「で、オリオン座のベルトを東側に伸ばした先にある、とびきり明るい星。あれが、」

    「シリウスだにゃ!」
    意外にも私を遮って答えたのは凛だった。

    「ふふん、凛も勉強したんだよ。」
    こういう素直な所は凛の良い所で、私も、特に見習いたいとは思う。
    無駄に得意げな表情を見てると、少しだけその気持ちが削がれるけど、ね。




      14 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:02:58.68 ID:0I/M9hL90


      「ねえ、真姫ちゃん。オリオン座のベルトさん達には、名前があるのかなぁ?」

      「特にそれらしい名前はないわね。」

      「じゃあ、あれが真姫ちゃんで、右のが凛、左のがかよちんにゃ。」

      「……凛、あなたって本当に色々思い付くわね。」

      「うーん、それじゃあ、シリウスはにこちゃんかなぁ?」

      「ちょっと、花陽まで……。」

      「じゃあじゃあ、リゲルは絵里ちゃんで……あっ、ベテルギウスはオレンジだから穂乃果ちゃんかにゃ。」



      15 :理事長「やっぱりここね……その顔は…きいたようね」 :2015/12/14(月) 01:05:04.12 ID:XWtaOmWV0


      理事長「私の攻撃が」

      絵里「ぐっ……理事長がここまで強いなんて……」

      理事長「この学院では強さが全てよ」

      絵里「身体が…動かない」

      理事長「半日もすれば痺れは取れるわ」

      理事長「これに懲りたら今後生徒会ごときがこの私に逆らわないことね」



      16 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:05:49.09 ID:0I/M9hL90


      「お空には、星が、いっぱいだねぇ。」

      「そうね。今は、まだ数えられるくらいだけど……。」
      「本当は見えないだけで、そこに、もっと沢山あるのよ。」

      「……なんか、凄いにゃ。……くしゅん。」

      「ちょっと凛、新年早々に風邪ひかないでよね。」

      その日は、そうやってなんでもない会話をして、星を数えながら帰った。



      17 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:11:21.81 ID:0I/M9hL90


      ある日の帰り道、凛は夜空を見上げて、ぽつりと呟いた。
      「オリオン座、前よりちょっと、暗くなってるね。」

      「そうかしら?私にはそうは見えないけど……。」

      「真姫ちゃんはニブいにゃ。」

      「なっ……。」

      そうやって私と凛の不毛な争いが始まろうとしたその時、花陽が一言。
      「……これからは、こうやって星を見ながら帰る事も出来なくなるのかなぁ。」



      18 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:15:32.12 ID:0I/M9hL90


      「……。」

      「……春には、このままじゃいられないわよね。」

      「μ’sを結成して、廃校を阻止して、ラブライブに優勝して。……色々あった一年だったにゃ。」

      「……これからは。」

      「三年生も卒業するし、μ’sだっておしまいになる。」

      「……真姫ちゃん、凛ちゃん。ごめんね。変な、雰囲気になっちゃった。」

      ぐすん、という泣き声が聞こえた。
      「……かよちん。」

      オリオン座のベルトは、靄が掛かったように、前より少しだけ、暗くなっていた。



      19 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:20:11.04 ID:0I/M9hL90


      ある日の帰り道、凛は高層ビルの隙間の夜空を見上げて、言った。
      「……ニューヨークじゃ星は見えないにゃ。」

      「秋葉原と同じ、ね。」
      首が痛いぐらいに真上を見上げながら、日本と変わらず強すぎる都会の光に、私は目が眩みそうだった。

      「場所も、季節も……。もう、星を、ひい、ふう、みい、って。数えられないね。」
      そう言って花陽は白い指をむにむにと擦り合わせながら、下を向く。



      22 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:25:25.56 ID:0I/M9hL90


      「でもね、真姫ちゃん、かよちん。」
      「凛は、それでも、良いと思うんだ。」
      凛は、穏やかに笑っていた。

      「……なんでよ。」

      「だって、真姫ちゃんが言ってたんだよ?」
      「お星さまは見えないだけで、確かにそこにある、って。」

      「だから、この真っ黒な空の向こうには、オリオン座のベルトがどこかにあるはずなんだ。」

      「たとえ星を数えられなくたって、星空にゃ。」



      24 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:30:14.92 ID:0I/M9hL90


      ある日の帰り道、凛は突然夜空を指さして声を上げた。

      「あっ、おっきいお星さまが三つ並んでるにゃ!」



      25 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:35:08.46 ID:0I/M9hL90


      敢然と夜空に輝くそれを見ながら、私はふっと笑った。
      「……今年も相変わらず、ね。」

      「うん……。ずっと、このままみたいで……。」

      「一年経ったのに、何一つ変わりがないにゃ。」

      「まったく……。私達が見てない間に変わっちゃったら、どうしようかと思ったわ。」

      「なーんか真姫ちゃん格好つけてるにゃ。」

      「な、なによ!そういう凛だって……。」

      あはは、と花陽の苦笑いする声が聞こえた。



      26 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:41:27.34 ID:0I/M9hL90


      私は夜空が好きになった。

      春も、夏も、秋も。もちろん冬も。

      理由は明快である。星がそこにあるから。

      少しだけ、好きになった。

      ◆おわり



      27 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 01:42:22.85 ID:0I/M9hL90


      以上です。ありがとうございました。



      29 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 02:14:46.37 ID:LUwB8xIb0


      よかったよ乙



      30 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 02:53:27.83 ID:u0qpA/6j0


      星空見たくなった
      乙です



      33 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 06:15:42.33 ID:GmRYCN1F0


      乙です
      ステキな雰囲気でした



      34 :名無しで叶える物語 :2015/12/14(月) 06:15:42.33 ID:GmRYCN1F0

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        引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1450019379/

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