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ホーム > 未分類 > 【ラブライブ!】穂乃果「みんなで北海道旅行だよっ!」

【ラブライブ!】穂乃果「みんなで北海道旅行だよっ!」

2016年05月11日 19:23:52 , JST | 未分類
:名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:34:28.50 ID:i+VoL0WL


花陽「大変です!」

海未「どうしたんです、花陽!?」

花陽「先ほどこの手紙が届いたのですが――まずは何も言わず読んでみてください!」

穂乃果「ほう、どれどれ」

にこ「ちょっ、見えない!」ピョコピョコ



:名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:34:28.50 ID:i+VoL0WL

おすすめのウェブサイト

    戦争映画とゾンビ映画のコラムサイト|戦争映画が好きだッ!

    :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:35:39.54 ID:i+VoL0WL


    拝啓

    酷暑の候、いかがお過ごしでしょうか。

    さて、今夏「スクールアイドルフェスティバル IN 北海道」が道央ヒグマドームにて開催されることはご存知でしょうか。

    これはスクールアイドルの活動を通じて、道内各高校ないし内地の方々との文化的交流を図ることを目的としております。

    つきましては、東京を代表します貴校のアイドルグループ「μ’s」に、私共のために祝辞を頂戴できないものかとお願いの筆を取った次第でございます。

    今年の道内各グループはいずれも高い水準の結果を残しており、時のたつのも忘れる楽しい一夜になることを請け合います。

    どうぞお気軽にお越しくださるよう、お願い申し上げます。

    なお、移動ならびに宿泊の費用に関しましては、別途資料をご参照ください。

    敬具

    にこ「……な、ななななな……」

    穂乃果「なんですとー!?」

    絵里「ハラショー!」



    :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:36:33.20 ID:i+VoL0WL


    花陽「あのA-RISEを差し置いてこの厚待遇!

    しかも札幌圏には新興のスクールアイドルグループがひしめいています!

    注目はなんといってもドリームピリカときららサンキューセブンの双璧でしょうか!

    今をときめく道産子アイドルの勇姿を間近に拝めるなんて、これは本当に本当にすごいことなんです!」

    穂乃果「北海道?私たちが……東京代表?」

    海未「祝辞って、つまりは舞台挨拶ですか?そんな大舞台の挨拶に、私たちが……」クラッ

    ことり「ヒグマドームって、あのプロ野球の試合も開催される……!翔さん……!」

    にこ「にこのアダルトな魅力が、ついに海を越えてしまうのね!

    あぁーんダメダメダメよぉ!北海道に魔性の台風が上陸してしまうわぁ!」クネクネ

    真姫「キモチワルイ」

    にこ「ぬゎによ!」



    11 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:37:57.06 ID:i+VoL0WL


    絵里「廃校寸前だった音ノ木坂が東京代表ねぇ……感慨深いわね。

    資料によれば移動費と宿泊費は負担してもらえるそうだけど……どうする?」

    穂乃果「……うん、行こうよ!行かないわけにはいかないよ!

    だって東京代表だよ!私たち期待されてるんだよ!応えないわけにはいかないよ!

    あ、私は海が近くて食べ物が美味しいところに行ってみたい!やっぱり函館かなー?」



    13 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:38:32.85 ID:i+VoL0WL


    凛「凛はラーメンが美味しいところならどこにでも行くにゃー!>ω</」

    希「うちはジンギスカン!

    あと、富良野のラベンダー畑は行っておきたいな。ほら、ラベンダーってうちのイメージカラーにぴったりやん?」

    ことり「道産の乳製品をたっぷり使ったチーズケーキ……やんやん♪想像しただけでとろけちゃいそう♪

    確か小樽に美味しいお店があるんだよね。あと、ドームでファイターズ戦が観れたらいいな♪」

    花陽「札幌大通公園はドリームピリカのライブ会場にもなった、いわば聖地!是非とも巡礼したいです!

    あとは海鮮丼!やっぱり海の幸と白米のコラボレーションは外せない、です!」

    にこ「にこは夕張メロンが食べたいにこぉ!」

    真姫「みんな食べることばっかりじゃない……そうね、釧路湿原と網走の原生花園は見ておきたいわね」

    海未「もう、少し落ち着きなさい!単なる観光旅行ではないのですよ!

    東京代表として慎みある行動を心がけてほしいものです!」



    15 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:39:49.74 ID:i+VoL0WL


    絵里「まあまあ。別途の資料にも、北海道の知られざる魅力を全国に発信してほしいと書いてあるわ」

    にこ「ということは、旅行の過程は例によってうちの公式ブログで公開するのよね?」

    絵里「そうなるわね。フェスティバル当日まで、3日も自由行動日をいただけるそうよ。

    だけどみんな希望の行き先がバラバラね、これは小グループに別れた方がよさそうだわ」

    海未「さて、穂乃果!あなたにはさっそく舞台挨拶の言葉を考えてもらいますよ!」

    穂乃果「うえぇー!?ただでさえ生徒会の事務仕事がたまってるのにー!」

    ことり「ハノケチェン、頑張ろ?いざとなったら私が代わりに考えてあげるから」

    海未「そこ、穂乃果を甘やかさないで下さい!」



    16 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:41:28.64 ID:i+VoL0WL


    そんなこんなで出発日……

    【東京駅】

    穂乃果「ごめーん、お待たせ!」

    海未「もう、今からそんなことでは先が思いやられますね……。

    向こうは電車もバスも本数が限られているんですよ、しっかりなさい!」

    ことり「まあまあ、東京駅発の高速バスは20分間隔で出てるんだし……」

    真姫「……それにしても、いくら移動費を負担してくれたとはいえ、これはちょっとあんまりじゃない?」

    みゅーず の どうぐ

     キズぐすり
     おいしいみず
     むしよけスプレー
    →ふねのチケット(おうふく)

    にこ「なんで移動が飛行機じゃないのよぉー!」



    18 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:42:43.96 ID:i+VoL0WL


    凛「お船に19時間もいたら酔っちゃうにゃー!」

    花陽「大丈夫だよ凛ちゃん、いざとなったらおにぎりの梅干しをおへそに塗ってあげるから」

    希「きっとあちらもジリ貧なんやろうね。

    なにしろ財政はお世辞にも好転しているとはいえないし、加えて少子高齢化の波。開催されること自体が奇跡みたいや」

    絵里「まあまあ、いいじゃない。

    フェスティバル当日まで、観光旅行までさせてもらえるのよ?あんまり贅沢を言ってはバチが当たるわ」



    21 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:44:04.62 ID:i+VoL0WL


    穂乃果「それに、お船も面白そう!今の季節は、たまにデッキからイルカが見れるらしいよ!」

    ことり「あ、私も見たーい♪みんなで探してみよーよっ♪」

    希「にこっちは海に落っこちそうだからダメー!」ニシシ

    にこ「もぉ、にこはそんなおマヌケじゃないわよ!」プンプン

    真姫「そうね、にこちゃんは危なっかしいからずっと船室にいなさい」

    にこ「真姫ちゃんまで!?」ガビーン

    海未「ほらほら、水戸行きのバスが来ましたよ!みんな忘れ物はないですか?」



    22 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:44:55.21 ID:i+VoL0WL


    μ’sの9人は、東京駅から水戸を経由して、一路大洗港へ向かった。

    大洗発苫小牧行きカーフェリー、これが彼女たちの移動手段である。

    大洗駅からフェリーターミナルへ向かう途中、?号戦車とチャーチルの戦闘に巻き込まれたことを除けば、

    旅の初日は概ねつつがなく進行したのであった――。



    24 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:46:46.92 ID:i+VoL0WL


    【カーフェリー・エコノミールーム(いわゆる雑魚寝部屋)内】

    出航後(PM7:00)……

    絵里「それではみなさん、お手元の飲み物をお持ちください!」

    絵里「私たちの旅の成功を祈って――」

    8人「乾杯!!!!!!!!」

    にこ「ちょっとぉ!音頭くらい取らせなさいよぉ!部長なんだからぁ!」

    凛「にこちゃんは話が長くなるからダメにゃー!」

    にこ「ぷんっ」

    希「ん?楽しい席でシケた顔してるのは誰や〜?」ワシッ

    にこ「わ、ちょっ!」

    絵里「海でシケるのはダメよ!時化だけに!」

    凛「ちょっと寒くないかにゃー」




      25 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:48:38.35 ID:i+VoL0WL


      絵里「穂乃果!あなたもそろそろお酒の味を覚えてもいい頃よ!

      さっきアルコール類の自販機を見つけたわ!一杯どう?」

      穂乃果「うえぇー!?……そうだね、じゃあちびっと舐めるだけなら……」

      海未「な り ま せ ん ! 私たちはスクールアイドルとして招かれているんです!

      ゆえにこれは部活動の延長!未成年飲酒など言語道断です!」

      真姫「はしゃぎすぎよ、元・生徒会長。貴重なツッコミ役が減ったら海未が心労で倒れるわ」

      穂乃果「こんな絵里ちゃんもいいんじゃないかな!」

      花陽「はふはふ、お船で食べるおにぎりは格別です!」

      ことり「乗船前にお弁当やお惣菜を買っておいて正解だったね♪食堂は一食あたり1000円もするらしいし」

      にこ「ああもう暑苦しい!誰かこのバカなんとかしなさいよぉ!!」



      27 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:50:08.85 ID:i+VoL0WL


      大浴場にて……

      にこ「ふぅ」

      にこ「ひどい目にあったわ、まったく」

      ガラララ

      希「やっほ、にこっち」

      にこ「……まーた来たわね」

      希「えりちは?」

      にこ「さっき大はしゃぎでそこのサウナに入っていったわ、行ってきたら?」

      希「うちはのぼせそうやからパス。それよりいい機会や、にこっちと裸の付き合いがしたいと思ってな」

      にこ「あんたが言うと、セクハラにしか聞こえないんだけど」



      28 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:51:17.52 ID:i+VoL0WL


      カポーン

      にこ「あーあ、にこも舞台挨拶したかったな」

      希「なんや、そんなこと引きずってたんか、にこっちは」

      にこ「だって、一応は部長だもん。なのに当たり前のように穂乃果に決まっちゃって」

      希「いっぱいのお客さんの前でにこにーしたかった?」

      にこ「あったりまえでしょ!あーん、やりたいやりたいやりたい〜!」

      希「こらこら、お風呂で暴れたらあかんよ」

      にこ「……この際だから、客観的な意見を聞かせてほしいわね。穂乃果にあって私にないものって、なんだと思う?」

      希「んー、せやね」ジー

      にこ「……ちょっと、どこ見てんのよ」ペターン

      希「ここやない?」タプタプ

      にこ「ブン殴るわよ!?」



      29 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:52:42.18 ID:i+VoL0WL


      希「でも意外やね、自信家のにこっちがそんな殊勝な発言するなんて」

      にこ「当然でしょ?私は可愛さでも情熱でも誰にも負けない、宇宙ナンバーワンアイドルのにこ様なんだから。

      だからこそ、常に進化を続けないといけないのよ。そのためには他の子のいいところを吸収しないと」

      希「さすがはにこっちやね、その意気や」

      にこ「ふん……ところで」

      希「んー?」

      にこ「……絵里がサウナに入ってから、もう20分になるんだけど」

      希「……まさか」

      ガチャッ

      キャーッエリィー‼

      アカァーン‼



      30 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:53:40.23 ID:i+VoL0WL


      絵里「きゅ〜」

      真姫「軽い脱水症状ね。そんなに心配しなくていいわ」

      海未「もう、だからあれほどはしゃぎすぎないよう言ったのです」

      ことり「しばらく寝かせておこっか」ウチワパタパタ

      にこ「まったく……しょうがないわね」

      希「寿命縮んだわぁ……それで、他のみんなは?」

      ことり「穂乃果ちゃんはゲームコーナーに行ってるよ。凛ちゃんと花陽ちゃんは展望ラウンジかも」

      希「あ、うちも行こっと」

      海未「部屋の消灯時間は10時です。私たちも今のうちに身の回りのことをすませてしまいましょう」

      にこ「世話かけたわね、みんな。部屋に残っていてくれて助かったわ」

      海未「お互い様ですよ」

      にこ「……ね。希」

      希「んー?」



      31 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:55:28.39 ID:i+VoL0WL


      にこ「さっきの話、恥ずかしいから他言厳禁よ?」ヒソヒソ

      希「言わへん言わへん。ただ……」ヒソヒソ

      にこ「ただ?」

      希「今後はうちやなくて、他の子に相談した方がいいかもしれんよ?」チラッ

      真姫「……!」プイッ



      32 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:56:59.23 ID:i+VoL0WL


      翌朝(AM4:30)

      すぅ……すぅ……

      Zzz……Zzz……

      ンガキュルルルグオオオオオ

      穂乃果「……んー」

      穂乃果「むにゃ……あれー?」ムクリ

      穂乃果「ことりちゃんはー?」フラフラ

      花陽「……むぅ」パチリ



      33 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:58:16.62 ID:i+VoL0WL


      穂乃果「トイレにもラウンジにもいないや」

      穂乃果「あとは……デッキ?」ガチャ

      ビュウオオオオ

      穂乃果「うおぉ、夏なのに寒っ!一気に目ぇ覚めちゃった!」

      ことり「あ、ハノケチェン!」

      穂乃果「おっ、いたいた!こんな朝早くに何してるの?」

      ことり「こっちこっち」

      穂乃果「え、……わ、ほえぇぇーっ!」

      東の海。

      水平線から今まさに、巨大な熱とエネルギーの塊が顔を出そうとしていた。



      34 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 00:59:36.80 ID:i+VoL0WL


      ガチャ

      花陽「穂乃果ちゃーん?」

      穂乃果「あ、花陽ちゃん!早くはやく!」

      花陽「え?わ、わああぁぁー!!」

      穂乃果「……すごい、すごすぎるよ」

      ことり「カメラ、持ってくればよかったね」

      花陽「凛ちゃんにも、見せてあげたかったな……」



      35 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:00:56.56 ID:i+VoL0WL


      数時間後

      海未「どうして起こしてくれなかったんですか……」シクシク

      穂乃果「だから〜!私も花陽ちゃんもたまたま目が覚めたから見れたんだって、本当にたまたま!」

      海未「でもことりは知っていたんでしょう、日の出の時刻……」ウラメシヤ

      ことり「無理に起こしたらかわいそうかな、って思って……」アハハ

      穂乃果「そうだよ〜!だいたい海未ちゃん、寝起きはむちゃくちゃ機嫌悪いじゃん!」

      花陽「海未ちゃん、本当にごめんね。一緒に見たかったよね」オロオロ

      海未「うう……帰りは、帰りの便こそは絶対の絶対に起こして下さいよぉ」ウルウル

      真姫「着く前から復路の話してどうすんのよ……それで、エリーは?」

      希「まだトイレに籠ってる。朝ごはんはどうするか聞いたら、お願いだから食べる話はやめて、やって」

      凛「のぼせたり船酔いしたり、絵里ちゃんは旅行中まで忙しい人だにゃー」



      36 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:03:06.24 ID:i+VoL0WL


      移動日兼自由行動日・初日

      【苫小牧港】
      PM2:00

      「せーのっ」

      穂乃果「北海道、記念すべきはじめの第一歩!」トン

      凛「にゃー!!>ω</ 」トン

      真姫「よしなさいよ、子供じゃあるまいし……」

      海未「あなたって人は……少しは反省なさい!下船券をなくしたことをもう忘れたんですか!」

      穂乃果「うえぇー、だって下船にまで手続きがあるなんて知らなかったもん!」

      絵里「うー、まだ気持ち悪いわ……みんなには迷惑かけたわね……」ゲッソリ

      ことり「気にしないで。ほら、お水買ってきたから飲んで♪」

      凛「体調不良くらい誰にでもあるにゃー」



      37 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:04:18.63 ID:i+VoL0WL


      穂乃果「次に9人が揃うのは、フェスティバル当日だね!」

      凛「かよちーん、凛がいなくても泣いちゃダメだよー」ウルウル

      花陽「凛ちゃんこそぉ」ウルウル

      海未「ことり……くれぐれも穂乃果をよろしくお願いします」ペコ

      ことり「心配いらないよ、任せて♪」

      絵里「さみしくなったら電話してね、希ぃ……」

      希「わかったわかった、モーニングコールは欠かさへんよ」

      にこ「絵里、にこがさっきゲームコーナーで取ってきた人形あげるわ!

      寂しくなったらこれでにこのことを思い出しなさい!」

      真姫「何言ってるのよ、にこちゃんは私達と同じ組でしょ」グイ

      にこ「あーれー!」



      38 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:06:35.75 ID:i+VoL0WL


      チーム分け詳細
      道央・函館組……穂乃果、ことり、花陽(Printemps)
      富良野方面組……海未、希、凛(lily white)
      道東組……真姫、にこ、絵里(BiBi)

      ※以下、お手元に地図帳あるいは時刻表をご用意の上お読みください。よりわかりやすくなると思います。
      あと、オリ設定がちょこちょこ含まれていますが、気にせず読み飛ばしちゃってください。



      39 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:08:41.65 ID:i+VoL0WL


      【室蘭本線・苫小牧発岩見沢行き】

      にこ「うわーん!」

      にこ「花陽の組はドリームピリカの聖地巡礼するにこー!ずるいずるい!」

      真姫「もう、往生際が悪いわね」

      にこ「行き先の変更を要求するわ!」

      絵里「にこ、夕張メロンが食べたかったんでしょ?明日は新夕張にも立ち寄るから、きっと飽きるほど食べられるわよ?」

      にこ「むぐぐ……」

      真姫(なによう、にこちゃん。私より花陽といっしょの方がいいっての?)プックリ



      40 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:10:25.63 ID:i+VoL0WL


      その頃……

      花陽「札幌・大通公園……ドリームピリカのライブ会場……!

      生の氷室まりもちゃんがここを歩いたんだよねぇ……嗚呼、幸せすぎて怖いです!」クルクル

      穂乃果「あ、札幌テレビ塔!あれゴジラの映画で見たことあるよ!」

      ことり「もぉ、二人とも!プレイボールに間に合わなくなっちゃうよぉ♪

      ……翔さんは楽天の美馬さんには強いから、勝つこと間違いなしね♪」ウフフ

      「お嬢さん方、札幌名物のトウキビはいかが?」

      穂乃果「食べまーす!」

      「道産牛乳をたっぷり使ったソフトクリームいかがっすか〜!」

      穂乃果「いただきまーす!」

      ことり「ハノケチェン、晩ごはん入らなくなっちゃうよぉ〜!」

      アハハハハ……

      ウフフフフ……



      41 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:11:49.30 ID:i+VoL0WL


      【旭川・旅館】

      凛「希ちゃんの頑固者!」

      希「凛ちゃんのわからず屋!」

      海未「おやめなさい、宿に着いて早々にケンカなんて!いったい何事ですか!」

      凛「海未ちゃん、旭川といったらラーメン、これは常識だよねぇ!シンプルにして王道、これぞ寒冷地料理の真髄にゃー!」

      希「だから凛ちゃんはわかってへんのや!北海道の郷土料理といったらジンギスカン!ここまで来て羊肉を食べへんなんて、上野動物園でパンダを見ないくらいアホな所業や!」

      凛「そんなに焼肉が好きだったら、牛角でも行けばいいにゃー!」

      希「凛ちゃんこそ、日高屋にでも行けばいいんや!」

      凛「しゃー!」

      希「がるるる……!」

      海未「いい加減になさい!もうジャンケンで決めなさい、ジャンケンで!」



      43 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:13:43.75 ID:i+VoL0WL


      【追分・駅前旅館】

      絵里「午前中ほとんど何も口に出来なかったから、反動でご飯が何杯でもいけちゃうわね」モグモグ

      にこ「デザートのメロンが最高に美味しいにこぉ♪」

      真姫「絵里、私の蟹あげるわよ」

      絵里「あら、ありがとう!この仄かな磯臭さが最高よね!」

      にこ「……(ФωФ)」ソーッ

      絵里「これっ」ペシン



      44 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:15:02.60 ID:i+VoL0WL


      にこ「うえーん、絵里がぶったー」

      絵里「他人のメロン取ろうとした罰よ!」

      にこ「食べ足りないにこぉ……」

      真姫「ほら、にこちゃんには私のメロンあげるわよ」

      にこ「わーい、真姫ちゃんありがとぉ!」

      絵里「真姫は優しいわねぇ。本当にいいの?」

      真姫「私のうちは毎年いっぱいお中元もらうもの、どうってことないわ」フフン

      にこ「むっきー!ブルジョワめー!」プクー



      45 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:16:36.12 ID:i+VoL0WL


      にこ「食べたたべたー」ゴロゴロ

      真姫「牛になるわよ」

      にこ「ナイスバディになれるなら本望よぉ」ゴロゴロ

      絵里「さて、じゃあもう一度確認するわね。

      明日は新夕張から特急を使って、帯広を経由して釧路へ。湿原の景色を堪能した後は、摩周の温泉宿で一泊するわよ」

      真姫「私の希望にみんなを付き合わせちゃって、なんだか悪いわね」

      絵里「いいのよ。でも列車で移動する時間が相当長くなるわね。道中の食料をあらかじめ買っておきましょう」

      真姫「じゃあ、せめて買い出しの役目は私が引き受けるわ」

      にこ「ご当地ポッキーに、ご当地キットカット!楽しみにしてるにこ♪」ゴロゴロ



      46 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:17:37.68 ID:i+VoL0WL


      その頃のリリホワ……

      希「ね?ジンギスカンだって美味しいやろ?」

      凛「うん。焼肉はみんなで囲めるからにぎやかで楽しいよね」

      海未「やれやれ……明日はいよいよ富良野ですね。今夜は早めに寝ましょう」

      凛「ガイドブックで読んだんだけど、上富良野には無料の露天温泉があるんだって。有名な女優さんも浸かったらしいよ!」

      海未「……ほう」

      凛「でもそこはお山の上で、バスもほとんどないらしいにゃ。

      車が運転できない凛達には行けないね。残念だけど諦めるしかないにゃー」

      海未(山?……諦める?……)

      ドクン

      海未(この私に、戦わずして山に白旗を上げろと?ほう……)

      ドクンドクン

      海未(……面白い!)ニヤリ



      47 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:19:07.77 ID:i+VoL0WL


      一方のプランタン……

      日1−13楽

      ことり「トツゲキトツゲキヨウダイカーン」ブツブツ

      穂乃果「ことりちゃん、もうホテルに帰ろう!明日は絶対勝つよ!」ユサユサ

      花陽「A・Jがすごすぎたんだよぉ!」

      穂乃果「そ、そうだ!私さっき鹿肉カレーのお店見つけたんだよ!よーし、今夜はあそこでやけ食いだー!」

      花陽「明日は時計台と赤レンガ庁舎を見てから、函館に行こうね!楽しみで今夜は眠れないかも!」

      ことり「サイテョ……」グラグラ

      自由行動日・初日
      終了



      48 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:20:44.63 ID:i+VoL0WL


      自由行動日・2日目

      【新夕張・直売所】

      にこ「……」

      夕張メロン(カット・スティック)
      -SOLD OUT!-

      「ごめんねぇ、まだ入荷してないのよ」

      にこ「にこぉ……」クスン

      絵里「……」ポンポン

      「代わりに夕張メロンソフト、食べてって」

      にこ「……じゃあ、それにするわ」

      「したっけ、ほいオマケ。うちのトウキビ、甘くて美味しいよ」

      絵里「わぁ!ありがとうございます!」ヒョイ

      にこ「ちょっとぉ、にこがもらったのにぃ!」



      49 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:22:10.30 ID:i+VoL0WL


      【新夕張駅前】

      にこ「♪」ペロペロ

      にこ「これもなかなかいけるわね!」

      絵里「それで、真姫はどこまで買い出しに行ったのかしら。もうすぐ列車の時間なのに」カジカジ

      真姫「みんな、お待たせしたわね」

      にこ「……」

      絵里「……」

      真姫「……何?」

      絵里「失礼、真姫さん?道中の食料をお願いしたのですけれど?」

      真姫「だから、これがそうじゃない。直売所って素敵ね。取れたて新鮮なトマトやキュウリがいっぱい買えたわ!

      道産の野菜さえあれば、添加物たっぷりのコンビニ弁当やお菓子なんて不要よね♪」

      にこ「」

      絵里「」



      50 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:23:31.99 ID:i+VoL0WL


      【上富良野】

      凛「ひどいにゃー!凛はこんなの聞いてないにゃー!」

      海未「ラベンダー畑なら明日も見ることができます。それに希も全面的に賛成してくれました」

      希「多数決よ、凛ちゃん」

      凛「観光案内所のおじさんも呆れてたにゃー!どう考えてもムチャだよ、ね、考えなおそう!」

      海未「何も本格的な登山をしようと言っているわけではありません。ちゃんと乗り物もレンタルしたではありませんか」

      凛「ただの電動自転車で10キロも山道を登るなんて、女子高生のすることじゃないにゃー!!」

      希「ファイトが足りんよ、凛ちゃん!」

      凛「かよちんと同じグループに入れてもらえばよかったにゃあああああああああ!!!!」ビエエエ



      52 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:24:53.78 ID:i+VoL0WL


      【札幌・時計台】

      穂乃果(失意のことりちゃんを元気にするために連れてきたけど……)

      花陽(これは……うーん)

      ことり「……」

      穂乃果(インパクトが薄いというか……期待しすぎたというか……)チラッ

      花陽(逆効果だったかな……)チラッ

      ことり「……可愛い♪」

      穂乃果・花陽「!!??」

      ことり「すごく可愛いね♪こんなお家に住んでみたいな♪やんやん、ミニチュアがほしい♪」

      穂乃果「……そ、そうだね!うん!かわいいよね!後で海未ちゃんに自慢しちゃおっ!」

      花陽「い、いやー残念だなー!凛ちゃんにも見せてあげたいよね、うん!」

      ことり「そうだ、あそこのシャッタースポットで写真撮っていこうよ、三人並んで♪」ニコニコ

      花陽「……これでよかったのかな、穂乃果ちゃん」ヒソッ

      穂乃果「よかったんじゃ、ないかな……」ヒソヒソ

      ことり「早くはやく〜♪」



      54 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:26:16.13 ID:i+VoL0WL


      【帯広】

      絵里「朝一番の特急列車に乗ってここまで来たのに、まだ今日の行程の半分にも達してないのよね……」

      真姫「一時間後にはまた列車で移動、さすがにちょっとうんざりね」

      絵里「それにしても、帯広の駅前って何にもないのね。『幸福の黄色いハンカチ』ではあんなに栄えていたのに」

      真姫「札幌に働き手も経済力も吸いとられちゃったのよね、きっと。大都市一極集中の弊害がここでも顕在化しているわね」

      絵里「大きな道路や鉄道を引くと、地方はかえって寂れていくということかしら。北海道新幹線の開業は、この地方に何をもたらすのかしらね」

      にこ「にこを放ったらかして小難しい話しないでくれる!?」



      55 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:27:36.91 ID:i+VoL0WL


      凛(自転車のバッテリーがもう半分になっちゃった……)

      凛(ペットボトルのお水もとっくに空っぽ……あ、自販機)

      凛「二人とも、ちょっとあそこの自販機でひと休みするにゃー」

      海未「ふむ。ロードマップによると、この先には集落もないようです。ここで給水をすませておきましょう」

      希「もうお店どころか家さえも見当たらんね。アキバの喧騒がなつかしいくらいや」

      海未「おや、五円玉と一円玉二枚しか入っていませんね。大きい方は五千円札のみ。どなたか両替してくださると助かるのですが」

      凛「あ。凛のお財布、千円札も小銭も全然ないにゃ」

      希「ごめん、うちのお財布、ちょうど万札しか入ってないんや。小銭は……51円」

      海未「え」

      凛「……」

      希「……スピリチュアルやね」アハハ



      56 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:29:08.64 ID:i+VoL0WL


      【はこだて明治館(旧函館郵便局)】

      花陽「はわわ、テディベアもオルゴールも、みんなみんな可愛いです!」

      穂乃果「この赤レンガの建物もお洒落だね!ちょっとムリヤリな行程になっちゃったけど、来れて嬉しいよ!」

      花陽「だけど一番喜んでるのは……」チラッ

      穂乃果「ことりちゃん、だね」チラッ

      ことり「和・洋モダン貸衣装館……こんな神スポットがあったなんて……!」

      ことり(ここで得たすべてを血肉にすれば、次回ラブライブのための衣装作りもバッチリ!……それに、穂乃果ちゃん達にあんな格好やこんな格好を……!)

      グルリ

      花陽「ひっ」

      ことり「二人とも、ことりのおやつにしちゃうぞ〜!」

      花陽「キャーッ!」

      ズリズリズリ……

      穂乃果(ところで海未ちゃんは、今頃何してるのかなぁ)ズリズリ



      57 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:30:30.37 ID:i+VoL0WL


      海未「……」カラカラ

      希「……」カラカラ

      凛(もう誰も自転車を漕ぐどころか、おしゃべりする元気すらないにゃ……)

      海未「どなたか、アクエリ飲みますか?今朝の残りでぬるいですけど」

      希「一口ええ?サンキュな」コク

      希「間接チュー、しちゃった」

      海未「……」カラカラ

      凛「……」カラカラ

      希「ツッコんで」



      58 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:31:48.23 ID:i+VoL0WL


      【根室本線・列車内】

      にこ「はい」パッ

      《長万部》

      絵里「おしゃまんべ。余裕ね」

      にこ「次」パッ

      《倶知安》

      絵里「……んー、くっちゃん!」

      にこ「じゃあ、これは?」パッ

      《音威子府》

      絵里「え?おとい……こふ?」

      にこ「残念、おといねっぷでしたー。はい、ジュース一本おごり!」

      絵里「く、屈辱よぉ!もう一問!」

      真姫「景色見なさいよ……」トマトカプッ

      真姫(もうすぐ釧路ということは、この太平洋ともしばしお別れね)

      真姫(……)バイバイ



      59 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:33:14.89 ID:i+VoL0WL


      カラカラカラカラ……

      凛(……もう何キロ歩いたのかにゃ)

      凛(頼みの綱だった、海未ちゃんが飲み残したアクエリもとっくに空っぽ……)

      キッ……

      海未「……皆さん、申し訳ありません。私が無謀な提案をしたばっかりに」

      凛「!!」

      海未「本当に……ごめんなさい」ペコリ

      凛「そんな!凛は海未ちゃんに怒ってなんかないよ!」

      海未「いえ、あれほど嫌がっていたあなたを無理に引っ張りこんだのは私です」

      海未「……引き返しましょう。山の天候は変わりやすいです。それに先程、ヒグマ出没注意の看板を見ました……」

      凛「やめて!そりゃ確かにしんどいのは嫌だけど、でも海未ちゃんのそんな悲しそうな顔を見るのはもっと嫌にゃ!やめてよ……」

      海未「ですが……!」

      希「……やれやれ」



      62 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:34:46.80 ID:i+VoL0WL


      スッ

      凛「希ちゃん……?」

      希「カードがね、ウチに告げたんよ」

      海未「……愚者、ですか」

      希「そう。このカードの意味はね、

      身軽な旅、無限の可能性、情熱のままに。

      なんやうちらの旅行にピッタリやと思わへん?」クスクス

      海未「……」

      希「海未ちゃんは可能性感じたんやろ?だったら後悔のないよう、とことん進んだらええやんか。

      うちはついていくよ、一蓮托生や」

      海未「……もしかして、私の提案に賛成してくれたのも」

      希「そ。あくまでカードのお告げに従ったまでや」ニシシ

      海未「なんですか、それ」クスッ

      凛「希ちゃんらしいにゃー!」



      64 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:36:10.95 ID:i+VoL0WL


      プップッ!

      希「おっと、久しぶりの車や」

      「お嬢ちゃん、なんかお困りかい?」

      海未「ちょっとひと休みできるところを探していまして。ご存じないですか?」

      「あー、そしたらね!この道まーっすぐ上ると、登山客向けのホテルにぶつかんのよ!

      大丈夫、歩いて十分もかかんねーから!気をつけてな、したっけ!」

      ブロロロロ……

      希「……」

      海未「……」

      凛「……う」

      ウオオオオォォォォオオオオ!!!!!!



      65 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:38:17.95 ID:i+VoL0WL


      【山小屋風ホテル】

      海未「んぐ……んぐ」gkgk

      海未「ああ、生き返ります!五臓六腑に染み渡ります!!」

      希「食堂が営業してなかったのは残念やけど、売店も自販機もあってほんま助かったわ」mgmg

      凛「海未ちゃんはきのこ派?たけのこ派?」pkpk

      海未「口に放りこめばどっちも同じです!」



      66 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:39:39.62 ID:i+VoL0WL


      コトッ

      凛「!!」

      「これ、よかったら食べて」

      希「いいんですか!?」

      海未「お代を支払わせてください!おいくらですか!?」

      「いいのよ、それはサービス。お菓子ばっかり食べたら身体に悪いからね」

      凛「う、うぅ……」ジワッ

      後にリリホワは活動報告において「この上なく美味しいおにぎりだった、女将さんには頭が上がらない」と口をそろえて語っている。

      花陽が滂沱の涙を流して羨ましがったのは言うまでもない。



      67 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:41:00.79 ID:i+VoL0WL


      海未「さて、レンタサイクルの返却期限まで残り2時間」

      希「目指す露天温泉はすぐみたいやね」

      凛「凛のがんばりがいよいよ報われるにゃー!」

      海未「……せーの、」

      3人「ありがとうございましたー!!」

      「気をつけてね、いってらっしゃい」



      69 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:42:22.66 ID:i+VoL0WL


      凛「あ、足に力が入らないにゃー」

      希「安心して力抜けてしまったんやね。ウチも同じや」

      凛「おかしーなへなへなよー」

      海未「気をつけてください、いつ対向車が来るかわかりません」

      希「いや、もう心配ないよ」

      希「……終点や」



      70 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:43:34.50 ID:i+VoL0WL


      【終着地 -山上の露天温泉-】

      海未「あ、あんまりです……やっと着いたのに……」

      希「湯舟どころか、脱衣所の中まで上から丸見えやね」

      凛「混浴ってレベルじゃないにゃー!!」

      希「さて、今なら奇跡的に貸しきりのようやけど、どうする?」

      海未「で、ですが……殿方が来たら一巻の終わりです……」

      希「引き返す?」

      海未「う……」

      凛「……にゃあああああー!!」

      スポン!

      スポン!

      スポポーン‼

      海未「り、凛!?」



      71 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:44:45.52 ID:i+VoL0WL


      凛「ここまで来て引き下がるなんて冗談じゃないにゃー!凛は入る!」ザバー

      希「ウチも!」ヌギヌギ

      海未「え、ちょっと希まで!?待ってください!……は、破廉恥です!!////」

      凛「言い出しっぺが何言ってるにゃー!さあ、海未ちゃん!」

      希「さあ!」ジリ

      海未「……ひ、ひいぃ」フルフル

      イヤアアアアアァァー……



      72 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:45:57.64 ID:i+VoL0WL


      チャプン

      海未「うぅ……//」モジモジ

      凛「いいお湯にゃー」

      希「滝の音、それに鳥のさえずり……大自然のスピリチュアルパワーに癒されるなぁ」

      凛「凛、眠くなってきたにゃー」ウトウト

      海未「みんなどうしてそんなに平然としてるんですか!」ナミダメキョロキョロ

      希「女の子は度胸よ、海未ちゃん……それにしても」

      海未「?」

      希「山の深緑と白い双球のコントラスト……絶景やん?」ウヒヒヒ

      海未「っ!?////」バッ

      希「おりゃー!ワシワシMAXやー!!」ジャバー

      海未「ひゃあああぁっ!り、凛!たすけてくださぁぁぁい!!////」

      凛「Zzz……Zzz……」



      73 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:47:20.64 ID:i+VoL0WL


      希「あー楽しかった♪全身の疲れも一気に癒えてしもたわ♪」

      凛「ほんとだ、あんなにガクガクだった足ももう大丈夫にゃ!」

      海未「もうお嫁に行けません……」

      希「さ、自転車の返却期限まであと一時間!みんな飛ばすで!」

      凛「下り坂は楽ちんにゃー!」



      74 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:48:43.74 ID:i+VoL0WL


      凛(湯上がりのお肌に、冷たい風が気持ちいいな)

      凛(あれほど辛い思いをして上ってきた山道を、一気に駆け下る!こういうのをカタルシスって言うのかにゃ?)

      凛(行きの時には余裕がなくて楽しめなかった風景も、今はよく見える)

      凛(熊笹の葉っぱ、白樺の木……うーん、ちょっと殺風景かにゃー)

      凛(だけど、この景色をこの三人で見ることって、もう二度とないんだよね)

      凛(……あれ、なんでだろ)

      凛(今日はとっても楽しかったはずなのに……)

      凛(……胸が、ずきっとしたよ?……)



      76 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:50:57.55 ID:i+VoL0WL


      【函館山】

      花陽「これが、100万ドルの夜景……辻仁成さんも見た絶景……」

      ことり「言葉で表せないくらいきれい……」

      穂乃果「でもことりちゃんの方が、もっときれいだよ(イケボ)」

      ことり「!?」

      プシューッ

      穂乃果「あ、女学生スタイルの花陽ちゃんもすっごく可愛かったよ!……って、ことりちゃん?」ヒョコッ

      ことり「〜〜〜〜っ!////」ポカポカ

      穂乃果「いたいいたい、どうしちゃったのさー」

      花陽「……」クスクス



      77 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:52:10.78 ID:i+VoL0WL


      【富良野中心街】

      凛「海未ちゃん希ちゃん、早く早く」

      海未「待ってくださいよぉ」

      希「おっ、やってるやってる♪」

      海未「運がいいですね、宿のすぐそばで花火大会なんて」

      希「頑張ったご褒美やね。よっ、たーまやー!」

      海未「か、かーぎやー//」

      凛「にゃー♪」

      自由行動日 2日目
      終了



      78 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:53:30.24 ID:i+VoL0WL


      自由行動日 3日目

      【摩周・ペンション】

      早朝

      道産キュウリパックにこ「Zzz……」

      「んむ……」ゴロン

      ノシッ

      道産キュウリパックにこ「……むにゃ、どきなさいよこころ……」グイ

      「むぅー」ギュウ

      道産キュウリパックにこ「ぐぇっ……ん?」

      真姫「すぅ……すぅ」

      道産キュウリパックにこ「!!!!????////」ガバッ



      80 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:54:42.08 ID:i+VoL0WL


      道産キュウリパックにこ(な、ななななな……)バクバク

      道産キュウリパックにこ(なんでうつ伏せの真姫ちゃんがにこの上に乗ってるのよぉ〜〜〜!!////)

      道産キュウリパックにこ(む、ムリよ!今こんな顔だからムリ!ちょっと気分転換に散歩行ってくる!////)トンズラ

      絵里「……ん」モゾッ



      81 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:55:55.79 ID:i+VoL0WL


      【摩周駅前・足湯】

      チャプン

      にこ「はぁ〜」パシャパシャ

      にこ(冷静になって考えたら、あそこ真姫ちゃんの布団だったわね。寝相悪いのは私か……)

      にこ(うぅ、まだ顔が熱い……今夜は布団離して寝ないと//)

      にこ「それにしても……無料で温泉を楽しめるなんて、ありがたいわね♪」

      ザッザッ

      絵里「抜け駆けなんてずるいんじゃない?」

      にこ「……おはよ」



      82 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:57:05.37 ID:i+VoL0WL


      絵里「起こしてくれたらよかったのに」チャプン

      にこ「私はお一人様の時間もけっこう好きなのよ。慣れてるから」

      絵里「さびしいこと言うのね。にこって去年まで、夏休みはどう過ごしてたの?」

      にこ「そうねー、全国ツアーに参加したり、聖地巡礼で地方行ったり?あとはひたすらメイド喫茶でバイトね。

      一般的な青春からかけ離れているかもしれないけど、それなりに有意義な2年間だったと思うわ」

      絵里「じゃあ、たまには泥臭い青春を堪能するのもいいんじゃないかしら?」フフン

      にこ「なーんか嫌な予感がするんだけど?」



      83 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:58:08.99 ID:i+VoL0WL


      絵里「さっき希からモーニングコールが来たんだけどね、昨日は山の上の温泉までレンタサイクルで10キロも走ったんですって」

      にこ「……まさか対抗しようってんじゃないでしょうね」

      絵里「ご名答!宿で調べたんだけど、網走には貸し自転車をやってるレンタカーショップもあるらしいわ!

      オホーツク海を横目にサイクリング、きっと素敵な一日になるわよぉ!」

      にこ「じ、冗談じゃないわよ!なんでわざわざそんな疲れることしなきゃなんないのよ!だいたい真姫ちゃんの意見だって……」

      絵里「ああ、それなら心配ご無用。真姫もこのプランに賛成してくれたわ。

      そうそう、言い忘れてたけどあの子なんだか怒ってたわよ、確か――」

      真姫「ああっ、やっと見つけた!ちょっとにこちゃん!?

      お出かけする時は一声かけてって、いつも言ってるでしょ!どうしてすぐ忘れちゃうのよ!」

      にこ「にこぉ〜〜〜〜〜〜!!!」



      84 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 01:59:27.82 ID:i+VoL0WL


      一方のリリホワ……

      海未「ここが有名なラベンダー畑ですか。思わず飛び込みたくなるほどきれいですね」

      希「うちのイメージにぴったりやん?ふふん」

      凛「むむむ、希ちゃんだけずるいにゃー」

      希「ほな、次は凛ちゃんのイメージにぴったりな花畑を見に行こか」

      海未「凛はヒマワリだと思います」

      希「異義なーし」



      85 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:00:50.49 ID:i+VoL0WL


      【網走〜国道244号線】

      チリンチリン

      真姫「にこちゃん、エリー!オホーツク海よ!」

      にこ「ここまで来る列車からいっぱい見たじゃない……」

      にこ(寒っ!もはや夏の気候じゃないわね……)ズズッ

      にこ(もうついていくしかないのね……それにしても)

      絵里「果ての見えない直線道路!気分はまるでイージー・ライダーね!」

      真姫「ヘイユー♪アップインザスカーイ♪」フンフン

      にこ(こんな無邪気な二人も、ちょっとした見ものね。やれやれ……)

      にこ(そういえば、穂乃果は海を見れたのかしら?)



      86 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:02:11.95 ID:i+VoL0WL


      【小樽・朝里海水浴場】

      穂乃果「うーみー!」

      ことり「穂乃果ちゃんは元気だね♪」

      花陽「本当に海にハイッチャウノォ!?」

      穂乃果「当然だよ!そのために水着も新調したんだから!」クルリン

      花陽(トロピカルな水着と灰色の日本海がミスマッチ、って言っちゃいけないよね……)

      ことり「あんまり沖に行っちゃダメだよぉ〜!」

      穂乃果「はーい!!」タッタッ



      87 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:03:46.09 ID:i+VoL0WL


      【美瑛・マイルドセブンの丘】

      海未「っくし」

      希「なんや海未ちゃん、風邪ひいたん?」

      海未「いえ、なんだか穂乃果に呼び捨てにされた気がして」

      希「スピリチュアルやね」

      凛「雄大だにゃー」



      88 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:05:17.60 ID:i+VoL0WL


      【網走・原生花園】

      絵里「ハマナスの花がきれいね」

      にこ「花もいいけど、この赤い実が可愛いわね。ちょっとだけ縦に潰れたトマトみたいで」

      真姫(トマト?)

      真姫「……」ゴクリ

      にこ「やめなさいよ?」



      89 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:06:29.01 ID:i+VoL0WL


      凛「にゃ〜♪」

      海未「ご満悦ですね、凛」

      希「麦わら帽子がほしいところやね。ヒマワリ畑に麦わら帽子の少女。絵になるやん?」

      海未「他のみんなにも、この一面のヒマワリを見せてあげたいですね」

      希「うちはさっきから、えりち達がどこかで同じようにヒマワリを見てる気がするんよ」

      海未「スピリチュアルですね」

      希「それうちのセリフ!」



      90 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:07:50.54 ID:i+VoL0WL


      凛「にゃ〜♪」

      海未「ご満悦ですね、凛」

      希「麦わら帽子がほしいところやね。ヒマワリ畑に麦わら帽子の少女。絵になるやん?」

      海未「他のみんなにも、この一面のヒマワリを見せてあげたいですね」

      希「うちはさっきから、えりち達がどこかで同じようにヒマワリを見てる気がするんよ」

      海未「スピリチュアルですね」

      希「それうちのセリフ!」



      91 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:09:02.49 ID:i+VoL0WL


      【どっかのヒマワリ畑】

      真姫(このヒマワリだけ、他の花と全然違う方向いてるわね)

      真姫(背丈も他のヒマワリより小さいし……なんだかにこちゃんみたいね)

      真姫「……」ツンツン

      真姫「……」クスッ

      絵里「」ダイノジ

      にこ「」ダイノジ



      92 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:10:21.51 ID:i+VoL0WL


      にこ「……いったい何キロ走ったのかしら」

      絵里「……ちょくちょく青看板を確認してたけど、網走から25キロは離れたみたいね」

      にこ「冗談みたいな数字ね……アイドルにあるまじき所業よ、まったく」

      絵里「あら、そのわりには楽しんでたみたいだけど?」

      にこ「そうね、あんたが途中の牧場で牛になつかれてテンパってたのはお笑いだったわ」

      絵里「変よね、アルパカとは相性よくないのに」

      にこ「あれって乳牛よね?部分的にシンパシー感じたんじゃない?」

      絵里「やめてよ、もう……海からだいぶ離れちゃったわね」

      にこ「そろそろ潮時じゃない?」

      絵里「そうね、宿も探さないとね。

      ……どう?泥臭い青春もたまにはいいでしょ?」

      にこ「一回くらいは悪くないかもね。二回は多すぎるけど」

      絵里「さぁ、帰りましょう……ああ、それにしてもすごい入道雲ね……」



      93 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:12:06.70 ID:i+VoL0WL


      ことり「うぅ、頭がキーンとするぅ」シャリシャリ

      花陽「ことりちゃんのブルーハワイも美味しそうだね」

      ことり「日本海を見ながらブルーハワイ、ってのもおかしいね」

      花陽「たまにはこういうおおらかな海水浴場もいいね」

      ことり「そうね。東京のそばだと、今の時期はお店も着替える場所も奪い合いだもんね」

      穂乃果「花陽ちゃーん!ほら、ヒトデ捕まえたよっ!」

      花陽「ぎゃあっ!」



      94 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:13:38.13 ID:i+VoL0WL


      【網走市街】
      PM5:00

      にこ「さて、自転車も返却したし。後は宿で優雅に過ごしましょ」

      絵里「この近辺でホテルを探すのもいいけど、一つ提案があるわ。

      駅前でもらったこの観光マップによれば、網走湖って市街からそう離れていないらしいのよ。

      歩いて行けそうな距離みたいだけど、どう?トレーニングがてら挑戦してみない?」

      真姫「そうね。サイクリングの途中で見た涛沸湖も見事だったし、一日に二つも湖が見れるなんて素敵ね。私は賛成」

      にこ「ちょっとちょっと!往復50キロも走って、この上まだ運動するの!?

      私は嫌よ!ハードすぎるわ!もう疲れた!ムリ!限界!」ジタバタ

      真姫「にこちゃん、この地図をよく見なさいよ。私達が今いる網走駅はここで、隣駅はここ。湖は二つの駅の中間にあるでしょ?

      ほらね?ここから湖まで、たった一駅分しか離れてないのよ。そんなに遠くないわ」

      にこ「むぐぐ……わ、わかったわよ。一駅分の余力くらいはあるわ。

      泥臭い青春とやらに、とことん付き合ってやろうじゃない……」

      絵里「決まりね!では皆さん、張り切って行きましょう!」



      95 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:15:28.89 ID:i+VoL0WL


      にこ「……ちょっと、行けども行けども湖なんて見えてこないんだけど?」プルプル

      絵里「……変ね。方角は間違ってないはずなんだけど」

      真姫「考えてみたらその地図、縮尺も具体的な距離も全然書いてないじゃない」

      絵里「……見かけに騙されたのかしら」

      真姫「宿どころか民家の一軒もない……せめてコンビニでもあればいいのに」

      にこ「二人とも、ちょっと悠長すぎない!?にこはかなり切迫してるんですけど?」ダラダラ

      絵里「……にこ?」

      真姫「……まさか」

      にこ「……そ、そうよ!お花を摘みに行きたいのよぉ!悪い!?」ピョンピョン



      96 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:17:10.67 ID:i+VoL0WL


      その頃……

      穂乃果「ここが小樽運河かぁ……」

      ことり「水面に映るオレンジ色のガス灯……幻想的ね」

      花陽「はわわ、素敵です……みんなはどんな夜を過ごすのかなぁ?」

      にこ「ああああ、漏れる!」

      絵里「が、頑張って!」



      97 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:18:31.87 ID:i+VoL0WL


      真姫「いざとなったら草むらで……!」

      にこ「冗談じゃないわよ!にこの一生の汚点になるわ!ああもう、なんでタクシーが一台も通らないのよ!?」

      真姫「あ、ほらあそこ!キャンプ場よ!ということは湖についたのよ!」

      にこ「うあああ安心したらなおさらヤバいいい!」



      98 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:19:44.00 ID:i+VoL0WL


      【網走湖】

      真姫「にこちゃんが帰ってくるまで、近隣のホテルに空きがあるか電話で聞くわね」

      絵里「……」シュン

      真姫「大丈夫よ、エリー。にこちゃんは怒ったりなんかしないわ……たぶん」ピッ

      真姫「もしもし……はい……はいそうです」

      にこ「ほぇ〜〜〜。やり遂げたわ、最後まで……」フラフラ

      絵里「にこ……ごめんなさいね、私のせいで」

      にこ「気にしないで。今のにこは天にものぼる心地にこ♪」ウフフ

      にこ「あとはホテルで湖を見ながらエレガントな夜を過ごして、明日はいよいよフェスティバル。楽しみにこ〜♪」

      真姫「えっ……はい、はい、ありがとうございました……」ピッ

      にこ「ん?」

      真姫「……満室、ですって」

      にこ「」



      99 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:21:32.90 ID:i+VoL0WL


      真姫「……ここもダメ、あそこも満室……ああもう何よ!どうしてこの近辺だけどこもいっぱいなのよ!」

      にこ「キャンプ場で幟を見たんだけど、どうもこの湖で大がかりな打ち上げ花火をやるらしいわ。原因はそれよ」

      真姫「ちょっと道なりに歩けば、他にホテルも民宿もあるらしいけど……市街まで引き換えすべきかしら?」

      にこ「道民の“ちょっと”はあまりアテにしない方がいいと思うわ。その忌々しい観光マップがいい証拠よ」

      絵里「……」



      100 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 02:22:51.57 ID:i+VoL0WL


      ポン

      にこ「なーに一人で責任感じてんのよ」

      真姫「地図に騙されたのは私達全員のミスでしょ。花火大会を知らなかった件も。下調べを徹底してから動くべきだったわね」

      絵里「でも……」

      にこ「ともかく、今後は謝罪禁止よ!湿っぽいのはごめんなんだから!さ、まずはこの先の駅目指して出発!」

      真姫「引き返さないの?」

      にこ「あんなろくでもない記憶が染み付いた道をもう一度歩けっての!?

      駅まで出れば、さすがに素泊まりの宿くらいにはありつけるでしょ。それに万が一なんにも無くても、その時は列車で移動すればすむわ」

      絵里「にこ……」グスッ



      110 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:49:34.59 ID:eYzTRwzP


      真姫「あ、二人とも、あれ!」

      にこ「……わ、キツネ!?あれキタキツネよね!?」

      真姫「なかなか逃げないわね……なんだか私達を先導しているみたい」

      にこ「どこにいざなうつもりかしら……」

      絵里「ちょっと、怖いこと言わないで……」

      にこ「……エリーチカ!」

      絵里「!?」

      にこ「あんたの名前はエリーチカよ!ちょうどいいわ、この近辺の宿まで案内しなさい、エリーチカ!」ニシシ

      絵里「ちょっ、にこっ!」

      にこ「エリーチカ、車に気をつけるのよー!」

      真姫「……エリーチカ!人から食べ物をもらったりしちゃダメよ!」

      絵里「真姫まで!?」



      111 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:51:38.99 ID:eYzTRwzP


      その頃……

      花陽「ああ、ついにこの時が来ました!

      北の大地に舞い降りた新雪のごとき白米!そして母なる海が恵んでくださった赤い宝石!ビバ・海鮮丼、です!」

      穂乃果「花陽ちゃんは今夜も活き活きとしてるね!私のホタテ一枚あげるね!」

      花陽「わぁ、穂乃果ちゃんありがとう!じゃあ私のトロと交換だね!」

      ことり「ん〜っ!こんなに美味しいサーモン食べたことないよぉ!とろけちゃいそう♪」

      花陽「でも晩ご飯にいっぱいお金使っちゃった分、ホテルは安くて古いところしかとれなかったね」

      ことり「私は気にしないよ♪だって明日は、運営さんが用意してくれた札幌の“ドルフィン・ホテル”に泊まれるもん!」

      穂乃果「そのホテル、そんなにすごいとこなの?」

      花陽「すごいなんてものじゃないよ穂乃果ちゃん!あのホテルはすべての北海道旅行客のあこがれなんだよ!

      創業1968年、未だ色褪せぬ万国旗!煌めく26階建ての中には、レストランに室内プールにショッピングセンターに……要するに何だってあるんだから!」

      穂乃果「ふ〜ん。私はみんなと一緒なら、どこだって三ツ星だけどなぁ」



      112 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:52:52.54 ID:eYzTRwzP


      にこ「……エリーチカについていったら、この旅館にたどり着いたわけですが」

      真姫「……真っ暗ね」

      にこ「すでに廃業しちゃったのかしら」

      真姫「でも、非常口の誘導灯は点いてるわ」

      にこ「もしかしてにこ達、マジでキツネに化かされてる?」

      真姫「ちょっと、やめなさいよ」

      にこ「あ、ごめん……」

      絵里「……」ブルブル



      113 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:54:55.56 ID:eYzTRwzP


      真姫「もう少し歩いて、マシな宿を探した方がいいんじゃない?」トマトカプッ

      にこ「でも、ぶっちゃけみんな限界よね?私も足がガクガクだし、お腹減ったし……。

      きっと支配人さんがいるはずよ。せめてダメ元で呼びかけた方がいいわ」

      真姫「あ、あんな真っ暗な旅館に?」

      絵里「……私がいくわ」

      真姫「エリー?」

      絵里「みんなを巻き込んだのは、私だもの。せめてこういう形で責任をとらせて」

      にこ「そういうセリフは、その脚をなんとかしてから吐きなさいよね」

      絵里「っ……」ガクガク

      にこ「私が行くわよ。私はあんた達とは違って、お化けも真っ暗なところもへっちゃらだから」

      真姫「にこちゃん……」

      にこ「別に強がりじゃないわよ?だてに毎晩ちび達のトイレに付き添ってないんだから」ニコッ



      114 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:57:09.89 ID:eYzTRwzP


      ガーッ

      にこ(自動ドアは生きてんのね……さて)

      にこ「すみませーん!一泊させてほしいんですけどー!どなたかいますかー!?」

      シィン……

      にこ「反応なしか……」

      チラッ

      にこ(柱時計は動いてる。よほど大切に使われているのね、まったく狂いはないわ)

      にこ(日めくりカレンダーも今日の日付。埃っぽさもない……そして
      決定的なのは壁の掲示物)

      にこ(ここの支配人はファイターズファンみたいね。大谷のポスターがそれを物語ってるわ)

      にこ(旅行客を呪い殺す怨霊が実は日ハムのファンでした、なんて話は聞いたことがないわよ)

      にこ(結論。ここは呪いの建物でも、キツネが見せた幻影でもない。れっきとした、生きた人間が経営する旅館ね)

      にこ(しかしわからないのは支配人や客の不在よね。集団バニシング?キャトルミューティレーション?

      ……やめやめ、これじゃもはやホラーというよりSFよ)

      にこ(ともかく、一度引き返すほかないわね)ハァ

      「……」



      115 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 05:58:30.70 ID:eYzTRwzP


      ガーッ

      真姫・絵里「!!」

      にこ「だめね、呼びかけたけど返事がないわ」

      にこ「どうする?最悪誰かが戻ってくるまで、ロビーで待たせてもらうってのも手だと思うんだけど」

      真姫「」

      絵里「」

      にこ「……なによ」

      真姫「に、にこちゃん」

      絵里「うしろ」

      にこ「は?……え」

      「……」ニコッ

      ギャアアアアアアアアアアアー‼‼‼‼

      ドンガラガッシャーン‼

      キャアーニコチャーン‼



      116 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:00:37.50 ID:eYzTRwzP


      しばらくして……

      「いやー、すまんすまん。一応は営業してんだけど、今お客さんみんな湖の方に流れてるっしょ?だから早めに消灯しちゃってさ」

      にこ「……」ブッスー

      「うちって基本的に登山客やバイク乗りを相手にしてるのね。だから君らみたいな女の子が泊まりにくるのって、かなり珍しいよ」

      真姫「……それで、費用はおいくらになりますか?」

      「前払いで一人2000円。食事つきなら2500円」

      にこ「!!安い!」

      「大浴場もルームサービスもないからね。荷物を下ろしたら食堂までおいで。腹減ってるだろ?」



      117 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:02:48.64 ID:eYzTRwzP


      ジュウウウ……

      にこ「ああ、これがジンギスカン……」

      真姫「今ようやく、助かったことを実感したわ……」

      にこ「においだけで満たされるにこぉ
      ……」

      真姫「生き返るわね……」

      「ジンギスカンといえばビールが定番だけど、君ら未成年だからなー。お母さんや学校の先生にナイショでこっそり飲んでみる?」

      にこ「絵里、あんたフェリーで飲みたがってたわよね。どうする?ここには海未もいないわよ?」ニヤニヤ

      絵里「……」

      真姫「エリー?」

      ポタッ

      にこ「あ……」

      絵里「……ひっ、っく……」ポロポロ



      118 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:04:09.35 ID:eYzTRwzP


      「おや、どうしたのよ」

      絵里「よかった……よかった……」ヒックヒック

      にこ「あーすいません、この子なんだか感極まっちゃったみたいで」アハハ

      真姫「もう、泣くことないじゃない」ヨシヨシ

      絵里「……だってぇ……」グスグス

      「ちょっと怖い思いしちゃったんだ」

      にこ「いやー!にこは全然余裕だったんですけどね、あとの二人がすっかりビビっちゃって!

      お化けが出るとか、キツネに化かされるとか、まったくしょおがないんだからーもー!」

      真姫「ちょっとにこちゃん!?」

      「あー、この辺でお化けが出たって話は聞いたことないね。ヒグマなら出るけど」

      にこ「」

      真姫「」



      119 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:05:46.99 ID:eYzTRwzP


      3人「ごちそうさまでしたー!」

      「はい、お粗末様」

      真姫「あの、あつかましいお願いてすが、シャワーはお借りできますか?」

      「好きなだけ使ってくれていいけど、せっかくだから温泉浸かりたいだろ?

      ちょっと行ったとこに別のホテルがあるんだけど、そこで日帰り温泉のサービスもやってるはずだよ、行っといで」

      真姫「ええっ、でも……」

      にこ「そんな浮気みたいなこと、できないにこ……」

      「いーからいーから!君らが行ってる間に、明日の朝ごはんのおにぎり用意しておくよ。

      絵里「そんな……そこまでしてもらっちゃ」

      「あ、そうそう。代金は貰ったし、明日は好きな時間に出てってかまわないよ。別に声もかけなくて大丈夫だからね。

      でもカギだけは置いてってね。記念にもって帰っちゃダメだよ」

      にこ「ああ、なんだか……」ウルッ

      真姫「私まで、泣いちゃいそう……」グスッ



      120 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:11:02.15 ID:eYzTRwzP


      しばらくして……

      にこ「なんなのよ、温泉の利用だけで1800円って!割高よ!ぼったくりだわ!」プンスコ

      絵里「お湯の質も、今朝の足湯の方が遥かに立派だったわね。あれ絶対に沸かしただけよ」プンスコ

      にこ「世の中には、もおっと良心的な宿があるんだから!べー!」

      絵里「ここは選ばなくて正解だったわね」

      真姫「大きなホテルの日帰り温泉なんてそんなものよ。せっかく勧めてもらったのに、文句を言っちゃ悪いわ」

      絵里「それもそうね……さ、明日は女満別まで出てから特急に乗って、札幌まで一直線よ。いよいよフェスティバル当日ね」

      真姫「移動だけで5時間は覚悟しなきゃいけないわね。列車の時間を調べておかないと」

      絵里「それは私がやっておくわ。二人は先にお部屋に戻ってて」

      にこ「じゃあ、任せたわよ」



      121 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:12:46.84 ID:eYzTRwzP


      客室……

      にこ「清潔なシーツ、あったかいお布団。ありがたいわねー」ゴロゴロ

      真姫「ねぇ、にこちゃん。なんでそんなに布団離すのよ?もっと寄せればいいじゃない」

      にこ「え……遠慮しとくわ!にこ寝相悪いから!//」

      真姫「にこちゃんの寝相の悪さなんて百も承知よ。いいからこっち来なさいよ、隙間が気持ち悪いわ」グググ

      にこ「ダメよぉ!今朝ちょっとした事故が起きかけたんだからぁ!//」グググ

      真姫「事故?事故って……ああっ、もしかして!?//」ボンッ

      にこ「!?」ギョッ



      122 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:14:43.65 ID:eYzTRwzP


      真姫「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!////」バタバタ

      にこ「ま、真姫ちゃん!?気を確かに!!」

      真姫「……じゃあ、あの夢!あれってまさか、現実で似たようなことが同時進行して……!?////」グルグル

      にこ「ゆ、夢!?夢ってなんのことよ!?どんな夢を見たってのよ、ねぇ!!////」

      真姫「し、し、知らないわよっ!!にこちゃんのバカー!!もう寝るわ、おやすみ!!//////」ガバッ

      絵里(……さて、これをどう解釈すべきかしら?)

      絵里(夏なのに頭から毛布を被ってる真姫と、キュウリパックも忘れて呆けたにこ)

      絵里(私がいない間に何があったのよ?微熱からMysteryね)



      123 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:15:55.35 ID:eYzTRwzP


      にこ(はぁ……眠れそうもないわね。身体は疲れきっているのに)

      にこ(おはようからお休みまで、まったくなんて一日かしら)

      にこ(……でもまあ、悪い日ではなかったわ。

      ろくでもないこともあったけど、絵里には感謝しないといけないわね。それから、ここの支配人さんにも)

      にこ(さて、にこはにこに出来るやり方で、支配人さんに感謝の気持ちを伝えましょう)

      にこ(色紙、持ってきておいてよかったわ)ポンッ

      キュキュキュッ



      124 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:18:52.50 ID:eYzTRwzP


      さてさて、その頃のリリホワは……

      【富良野市内・旅館】

      希「だから、階段革命と色縛りは必須やって!あとイレブンバック知らないとかありえんよ!」

      海未「頭が固いですね、大富豪の特殊ルールなんて八切りと通常革命だけで十分です!シンプルさこそトランプゲームの真髄だと私は思います!」

      希「詭弁やね。そもそもうちはその“大富豪”って呼び名が気に入らんのや。ちゃんと“大貧民”と言いなさい!」

      海未「なっ……何が大貧民ですか!縁起でもない!スピリチュアルを口癖にしていながら、なぜ言霊を意識しないのです!」

      凛「二人ともいい加減にするにゃー!北海道に来てする話じゃないにゃー!!」

      自由行動日・3日目
      終了



      126 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:22:08.71 ID:eYzTRwzP


      フェスティバル当日

      【石北本線・特急列車内】

      にこ「Zzz……Zzz……」

      絵里「泥のように、という言い回しがぴったりね。夕べはあまり眠れなかったのかしら」

      真姫「夜更かしでもしてたんじゃない?」カミノケクルクル

      絵里「あの美容にうるさいにこが?誰かさんと何かあったからだと私は思うけど」チラッ

      真姫「ヴェエッ……どうしてそこで私を見るのよ//」

      絵里「あらあら、私は別に真姫とは断言してないわよ?」クスクス

      真姫「あーもう!頭にくるわね!希に似てきたんじゃないの!?いいわ、私も寝る!//」プイッ

      絵里「そうね、エネルギー消費の激しい夜になりそうだものね。今のうちに英気を養いましょう。

      最高のゲリラ兵士は移動しながら休息するのよ」

      真姫「イミワカンナイ」

      絵里「今読んでる小説に書いてあったの」



      127 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:25:37.02 ID:eYzTRwzP


      【富良野線・旭川行き列車内】

      希「ペラペーラ」

      「ペラペラペーラ」

      海未「すごいですね、希」

      凛「凛はあんな風に外国人と話すなんてムリだよ……」

      海未「私達も見習わないといけませんね」

      凛「帰ったら英語の勉強、がんばろう……」



      128 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:26:59.07 ID:eYzTRwzP


      希「See you! Have a nice day!」

      「You too! Thank-you!」

      海未「何をお話していたんですか?」

      希「是非とも一度、じゃがバターを食べてみたいんやって。ところで“茹でる”って“boil”であってる?」

      海未「あっていますよ。他には?」

      希「北海道の風景は、カリフォルニアを思い出させるそうや」

      凛「途中で外人さんが大笑いしてたけど、あれは?」

      希「二人のことを、助さんと格さんって紹介したんよ。よほど日本文化に精通した人みたいやね」ニシシ

      海未「」

      凛「」

      コラァァァァァー‼

      ヒェェェェェ!!



      129 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:29:16.34 ID:eYzTRwzP


      【小樽・某大手硝子店】

      穂乃果(うわぁ……オルゴールのBGMに石油ランプの明かり……)

      穂乃果(床、木でできてるんだ……キュウキュウ鳴るのは、雪をイメージしてるのかな?)

      穂乃果(なにより、このいっぱいのガラス細工……動物さんも天使の像も、みんな生きてるみたい……)

      穂乃果(触ってみてもいいのかな?だけど、ちょっと手を触れたらすぐダメになっちゃいそう。

      壊れそう、というより溶けてなくなりそう……)

      穂乃果(綺麗……切なくなるくらいに……)



      130 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:30:38.67 ID:eYzTRwzP


      ことり「胸がキュンキュンするよぉ」

      花陽「函館の明治館もよかったけど、こっちも素敵だね、穂乃果ちゃん!」

      穂乃果「……」ポー

      ことり「ハノケチェン?」

      穂乃果「あ、ことりちゃん……花陽ちゃん……」

      穂乃果「……恋って、なんだろうね」

      ことり「!?」

      花陽「わぉ//」



      131 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:31:58.66 ID:eYzTRwzP


      【メルヘン交差点】

      ポーッ ポーッ ポーッ ポーッ

      花陽「あっ、蒸気時計が鳴ってる!」

      穂乃果「オルゴール堂も見学できたし、次はお茶にしよっか。ね、ことりちゃん!」

      ことり「つんっ」プイッ

      穂乃果「う……な、何を怒ってるの……?」

      ことり「アイドルともあろうものが、軽々しく恋なんて口走るなんて!にこちゃんが聞いたらなんて言うか!」プンプン

      穂乃果「うえぇー、怒るほどのことじゃなくない!?μ’sの曲にもいっぱい出てくるワードじゃん!」

      ことり「だ・め・で・す〜!破廉恥です!」

      穂乃果「うえ〜ん、花陽ちゃーん!海未ちゃんがことりちゃんに乗り移った〜!」

      花陽「あはは……」

      ことり(もうっ……穂乃果ちゃんは、そのまんまでいいのっ!)



      132 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:34:06.42 ID:eYzTRwzP


      カフェでティータイム……

      ことり「♪〜」ムグムグ

      穂乃果「嬉しそうだね、ことりちゃん」

      花陽「念願のチーズケーキが食べられたもんね」

      穂乃果「……これで許してくれるといいなぁ」ヒソッ

      花陽「穂乃果ちゃん、恐妻家のお父さんみたいだよ?」クスッ

      ♪〜

      穂乃果「あれ、海未ちゃんから電話だ。ちょっと待っててね」



      133 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:35:20.37 ID:eYzTRwzP


      ピッ

      穂乃果「もしもーし」

      海未『お久しぶりです、穂乃果。今はどちらに?』

      穂乃果「三人で小樽にいるよ。お茶してたとこ」

      海未『なるべく早く札幌に来てきてくださいね。特にあなたは舞台挨拶が控えているのですから』

      穂乃果「心配ないよ。ことりちゃんが言ってたけど、一番遅い電車に乗っても一時間で着いちゃうんだって」

      海未『そうですか、ことりが言うなら安心ですね。私達は先ほど札幌に着きました。絵里達もまもなく到着するようです』

      穂乃果「そっか、じゃあ私達もそろそろ移動しないとね!後で札幌で会おう!」

      海未『ええ、したっけ!』

      ピッ

      穂乃果(……したっけ?)キョトン



      134 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:36:28.31 ID:eYzTRwzP


      【札幌駅・構内】

      ピッ

      海未「三人は今、小樽にいるそうです」

      凛「もうすぐかよちんに会えるにゃ〜!凛は早くかよちん分を補給したいにゃ〜♪」

      海未「でも、なんだかあっという間でしたね。そろそろお土産のことも考えないと」

      希「北海道産のお土産かぁ。やっぱり定番といったら、」

      「白い恋人ですね!」「じゃがポックルにゃー!」



      135 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:37:57.74 ID:eYzTRwzP


      海未「……いいですか、じゃがポックルは実際のところ、味も食感もジャガビーと大差ないのです。

      あんな割高の商品に飛び付くなど、まさにミーハーの所業!歴史でも独自性でも勝っている、白い恋人こそ北海道銘菓と呼ぶにふさわしいのです!」

      凛「そうやってすぐ上辺だけで決めつける!海未ちゃんはじゃがポックルがどれだけ丹精込めて作られているか知らないから、そんなことが言えるんだにゃ!

      原材料はすべて道産のジャガイモ!味付けはオホーツク海産の自然塩!そして何より、手作りと言っても過言ではない製造課程!工場で大量生産されてる白い恋人とはわけが違うにゃ!」

      海未「それほどじゃがポックルが良心的なら、どうしてあんなかさばる箱に10袋しか入っていないのですか!

      フェリーの売店で見ましたよ、あの大仰なサイズの箱!内容量に即した大きさの入れ物を用意するのが、真の誠実さではないでしょうか!?そう、白い恋人のように!」

      凛「誠実!?商品名に“白”と明記していながら、ぬけぬけとミルクチョコレート入りを販売しているくせに!?おへそがお茶を沸かすにゃー!

      なにが“白い恋人ブラック”にゃ!このあからさまな矛盾をどう説明するにゃ!」

      にこ「……久しぶりに会ってみれば」

      真姫「……ナニコレ」

      希「ずうっとこの調子なんよ……えりちぃ、なんとかしてぇ〜!」

      絵里「そうね、私はとうきびチョコが食べたいわ」

      希「火に油注がんといて!」



      136 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:39:28.51 ID:eYzTRwzP


      駅構内・カフェ

      絵里「えー、それでは!まだ全員揃いませんが、ひとまずμ’sの再会を祝しまして、」

      にこ「だから私にやらせなさいよ、それ!部長なんだから!」

      凛「いつも通りのにこちゃんだ!なんだか安心するにゃー」

      ……クリカエシ、オキャクサマニオシラセシマス……

      希「いや、そうでもないよ凛ちゃん。うちにはなんだか前よりふてぶてしくなったように見えるんよ」

      にこ「そういうあんたも、また貫禄ついたんじゃないの?」

      真姫「そうね、みんなちょっとタフになった気がするわね」

      海未「ん?すみません、ちょっとお静かに」

      ……コノタメハコダテホンセンハ、ゲンザイゼンセンデ……

      海未「……っ!?」ガタッ

      真姫「海未?どうしたのよ?」

      絵里「……放送?」

      ……オキャクサマニハ、タイヘンゴメイワクヲオカケシマス……

      海未「……まさか……こんなことって……」



      137 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:40:42.03 ID:eYzTRwzP


      同時刻

      【小樽駅】

      ことり「……え」

      穂乃果「嘘、だよね……」

      花陽「そんな……」

      ――繰り返し、お客さまにお知らせします。先ほど、この先……間で、鹿と思われる動物が列車と接触したとの情報が入りました。

      このため現在、函館本線は小樽―札幌間、および札幌―岩見沢間の全線で運転を見合わせております。

      ご利用のお客さまには大変ご迷惑をおかけしますことを――



      138 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:42:03.08 ID:eYzTRwzP


      Prrr

      ピッ

      穂乃果「……海未ちゃん……」

      海未『穂乃果!?もう電車に乗ってしまいましたか!?』

      穂乃果「こ、これから乗ろうとしていたところ……」

      海未『よかった……ならひとまず、車内に缶詰めにされる心配はなくなりましたね』

      穂乃果「どうしよう……海未ちゃん、ねえ、どうしよう……」

      海未『落ち着いてください。小樽は大きい駅でしょう?他の移動手段はあるはずです……ちょっとことりと代わっていただけますか?』



      139 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:43:25.80 ID:eYzTRwzP


      【札幌駅・改札前】

      海未「……ええ……いいえ、あなたの責任ではありませんよ。気に病まないでください……」

      にこ「なんなのよ、鹿と衝突って!あり得ないわ!ふざけてんじゃないの!?」

      希「にこっち、落ち着き!この一件は誰のせいにしてもあかん!」

      真姫「鹿の群れなら、釧路で私達も見たでしょ?」

      絵里「東京から来た私達には冗談みたいに聞こえるけど、北海道では十分起こりうる事故なのよ……」

      にこ「ぐっ……それもそうね」ハァ

      凛「ね、ねえ!そんなことより!かよちんはどうなるの!?戻って来れないの!?」

      海未「はい……わかりました。二人をよろしくお願いします。冷静に行動してくださいね、では……」



      140 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:44:33.48 ID:eYzTRwzP


      ピッ

      海未「……皆さん、聞いた通りです」

      5人「……」

      海未「穂乃果達には最善を尽くすよう伝えましたが……やはり最悪の事態を想定すべきです」

      絵里「それって、つまり」

      海未「そう……舞台挨拶の代役を立てましょう」



      141 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:46:21.40 ID:eYzTRwzP


      凛「かよちん達を諦めちゃうの!?」

      海未「私だって凛と同じ気持ちです。諦めたくない……。

      ですが、今回は音ノ木坂の全校集会とはわけが違うんです……」

      真姫「それに、今回の目的はライブじゃなくて、あくまで舞台挨拶。

      ……考えたくないけど、3人減ったところであちらに支障はないわ」

      凛「凛はそんなの嫌だよ!μ’sは9人でひとつなんだよ!そうでしょ、希ちゃん!」

      希「それはそうやけど……」

      凛「ねぇ、いっそのこと、運営さんに申し出て……」

      絵里「落ち着きなさい、凛!私情に流されて、プログラムに穴をあけるなんて絶対にダメよ!

      旅行の費用まで出してもらったのに、後足で砂をかけることになる!」

      真姫「それに、私達全員が辞退したら、あの3人はどう思うかしら。自分を責めるんじゃない?

      特に思い詰めた穂乃果は、またとんでもないことを言い出しかねないわ」

      海未「それで、代役ですが……にこ。私は部長のあなたがふさわしいと思います。引き受けていただけますか?」

      にこ「私は……」

      にこ「嫌よ」

      海未「!」



      142 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:48:21.34 ID:eYzTRwzP


      希「にこっち?後ろめたく思う必要なんてないんよ?思う存分パフォーマンスしたって、誰も……」

      真姫「そうよ。誰が適任か、ちょっと考えたら……」

      にこ「嫌だって言ってんの!!」

      希「!!」

      真姫「にこ……ちゃん?」

      にこ「あんた達、なんで間に合わないことを前提に話してんのよ?

      穂乃果達は今ごろ、この状況を打開しようと奔走してるのよ?あんた達が勝手に諦めちゃってどうすんのよ!?」

      海未「ですから、あくまで最悪の事態を想定して……」

      にこ「最悪の事態なんて起こるわけがないじゃない!

      いい!?穂乃果は、私に出来なかったアイドル研究部の再興を、いとも簡単にやってのけたのよ!腹立つくらいに凄いヤツなのよ!

      たかが電車の遅れくらい、あいつが乗り越えられないはずがないでしょ!代役なんていらないのよ!」ジタンダ

      凛「にこちゃん……」



      143 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:49:29.07 ID:eYzTRwzP


      6人「……」

      ハァ……

      にこ「……悪かったわね、大きな声出して。だけど私は穂乃果を信じる。信じて待つわ」

      ポン

      希「そうやね……音ノ木坂が存続できたのも、あの子の思いつきがきっかけやからね」

      凛「その通りだよ!学校を廃校から守った穂乃果ちゃんだもん!いざとなったら舞空術やテレポートだって使うに違いないにゃー!」

      真姫「もう、そんなわけないでしょ?」

      海未「いや、わかりませんよ?何せことりの留学を止めたあの日、一瞬で音ノ木坂から空港まで移動した人ですから」

      凛「にこちゃんの言う通りだよ!もっと穂乃果ちゃんを信じてあげないと!」



      144 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:50:41.34 ID:eYzTRwzP


      絵里「……とはいえ、やっぱりバックアップは用意した方がいいと思うの」

      真姫「そうね、穂乃果のことだもの。土壇場になって『何言うか忘れちゃったー!』なんて言い出しかねないわね」

      希「穂乃果ちゃんがミスした時、誰かさんがにっこにっこにー♪してくれたら最高のフォローになると思うんやけどなぁ」

      海未「にこ、あらためてお願いします。穂乃果の保険になっていただけないでしょうか?部長のあなたには役不足かもしれませんが……」

      絵里「どうしてもというなら、私がやるけど……」

      にこ「……」ハァ

      にこ「わかったわよ……しょうがないわね」

      海未・絵里「!!」



      145 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:51:55.96 ID:eYzTRwzP


      にこ「海未!あんた作詞ができるってことは、現代文は得意よね?

      私は挨拶文を考えるから、おかしなところがあったら指摘して。後輩のあんたに頼むなんて恥ずかしい話だけど……」

      希「LINEで原稿を送ってもらった方が早いんやない?穂乃果ちゃんの手元にあるやろ?」

      にこ「この私に人の褌で相撲をとれっての!?ダメよ!そんなのお客さんにも他のアイドルにも失礼じゃない!」

      海未「わかりました。……しかしにこ、あなたは一つ間違ってますよ。μ’sは先輩も後輩も禁止です」

      にこ「ありがとう、ちょっとうっかりしてたわ。

      ……それから絵里!あんた生徒会長やってたくらいだし、目上の人とのコミュニケーションには慣れてるわよね?」

      絵里「え、ええ」

      にこ「念のため、あくまで念のために、今の状況を運営に説明しておいて。遅延証明書も持参してね」

      絵里「わかったわ!」

      にこ「さて、これからドームに移動するけど、みんなシケた顔してたら承知しないからね!

      ……今日の私達の仕事は、笑顔を見せることよ」



      146 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 06:59:32.61 ID:eYzTRwzP


      その頃……

      【小樽駅・タクシー乗り場】

      花陽「すごい人混みだね。列がちっとも進まない……」

      ことり「急なことで、配車が追いつかないんだね……」

      花陽「穂乃果ちゃんから連絡、来た?」

      ことり「まだ……高速バスは本数も多いみたいだけど、この大混雑じゃ乗り場にたどり着けるかどうかも……」

      花陽「どうしてこんなに人が多いんだろうね……」

      ことり「ちょっと周りのお話し声を聞いてみて」

      花陽「ほんとだ、お隣の国の言葉ばかり……大挙して詰めかけるのはアキバだけじゃないんだね」



      147 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:00:44.31 ID:eYzTRwzP


      【ドーム・控室】

      にこ「……どう?」

      海未「そうですね、もう少し謙譲語を活用した方がよいかと。たとえばこの『やって来ました』は『参りました』にした方が好印象でしょう」

      にこ「うーん、でもガチガチの敬語を使うアイドルって、見たことないんだけど」

      海未「そうでしょうか……スクールアイドルとは難しいですね。学生でありながらアイドル。立場の両立が大変です」

      にこ「その点、A-RISEの3人ってうまくバランスがとれていて立派でしょ?私はあの人達の、そういうところも尊敬してるのよ」

      希「……こんなマジなにこっち、うち久しぶりに見るよ」

      真姫「学校の勉強も、これくらい熱心に取り組んでくれたらね」

      凛「それ、凛の耳も痛むにゃー」



      148 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:01:59.59 ID:eYzTRwzP


      ガチャ

      海未「お帰りなさい、絵里。どうでしたか?」

      絵里「事情を説明したら、納得してもらえたわ。遅延証明書のおかげで遺恨を残さず済みそうよ」

      希「どんなに大きな資本が動いても、これはあくまで学校活動の延長ってことやね」

      絵里「とはいえ、あまりいい顔はされなかったわ。怒っていたわけではないけど……そうね、残念そうだった」

      6人「……」

      にこ「……まったく!いつまで待たせるのよ、穂乃果ったら!」



      149 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:04:36.34 ID:eYzTRwzP


      Prrr

      ピッ

      ことり「ハノケチェン?……うん、うん。そっか……ありがとう。気を落とさないでね、じゃあ……」

      花陽「……どうだった?」

      ことり「バスの方も、二時間待ちだって……これじゃあ乗れても、約束の時間には……」

      花陽「……そっか」

      ことり「電車の復旧、遅いね……」

      花陽「しょうがないよ……鹿さん、かわいそうだね。他のお客さんも……」

      ことり「……そうね」

      ポッ

      ことり「あ……」

      花陽「……っく……うっ、うっ……」ポロポロ

      ことり「……」ナデナデ

      ことり(札幌から小樽までおよそ40キロ……そんな大それた数字じゃないのに……)

      「おーい!」



      150 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:05:47.22 ID:eYzTRwzP


      ことり「!ハノケチェン?」

      穂乃果「ごめん、遅くなって!ちょっとコンビニ寄ってた!」

      花陽「……段ボールに、マジックペン?」グシグシ

      ことり「どうするの?」

      穂乃果「もうこれしかないよ!」ポンッ

      キュキュキュ

      ことり「……まさか」

      {至急!!札幌方面}

      穂乃果「ヒッチハイクだよ!」



      151 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:06:49.30 ID:eYzTRwzP


      にこ「今日は……じゃなかった、本日は開催おめでとうございます。東京から来ました!……違う違う、東京から参りました……」ブツブツ

      海未「やはり緊張しますか?」

      にこ「はぁ?宇宙ナンバーワンアイドルのにこ様が緊張ですって〜?なめんじゃないわよ!」ガクガク

      絵里「そういう台詞は、その脚をなんとかしてから言いなさいな」

      にこ「っ……//」

      真姫「みっともないわよ、アイドルが貧乏ゆすりなんて」

      にこ「ば、バカねぇ!これは武者震いよ!穂乃果のお株を奪うチャンスがめぐってくるかもしれないもの!……めぐってきちゃいけないけど!」

      希「……」

      スッ

      希「これ、ラベンダーのポプリ。富良野で買ってきたんよ。気休めにしかならんやろうけど……」

      にこ「ありがとう……いいにおいね」

      凛「大丈夫だよ、にこちゃんなら絶対うまくいくにゃー!」

      にこ「わかってるじゃない!……って、ダメダメダメ!私の出番は無い方がいいんだっつの!」



      152 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:07:52.37 ID:eYzTRwzP


      ことり「……なかなか止まってくれないね」

      穂乃果「二人とも、もっと親指突き立てて!T2のシュワちゃんみたいに!」

      花陽「は、はいっ!」

      ことり(女の子がヒッチハイクなんて……海未ちゃんが聞いたら卒倒しちゃうかな)

      花陽(そうだよね、泣いてる場合じゃないよね。可能性があるかぎり、諦めちゃダメなんだ……!)

      穂乃果「お願いしまーす!!!!!」

      プップッ♪

      花陽「!!」

      ことり「あっ!」

      穂乃果「やった……!」



      153 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:09:08.67 ID:eYzTRwzP


      バタン

      「若い子がヒッチハイクなんて安易に手ぇ出したらダメだよ?いくら北海道でも、いい人ばかりとは限らないんだから」

      3人「ごめんなさい……」

      「助手席の君、特に危なっかしいなぁ。私が男だったら……こうなっちゃうよ?」グイ

      穂乃果「わっ……は、はい//」

      穂乃果(手、すごくきれい……てか顔近っ!//)

      ことり「……むー」プックリ

      花陽(あわわ……)ハラハラ

      「さて、みんなシートベルトはした?行き先は札幌のどこ?」

      穂乃果「ど、道央ヒグマドームです!」

      「オッケー、飛ばすよ!舌噛まないでね!」

      穂乃果「え」

      ガコッ

      ブオオオォォォン!!

      穂乃果「」

      ことり「」

      花陽「」



      154 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:10:07.22 ID:eYzTRwzP


      「♪〜」ガコッ

      穂乃果「……あの、お姉さん?ここ一般道ですよね?」ヒキツリ

      「そうよ?……ああ、あなた東京の子だから知らないよね」

      ことり(速度メーターが……軽く100キロ越えてる……)

      「北海道はね……これが標準速度なの!」

      穂乃果「あ、あはは……」

      「別に嘘はついてないよ?ほら、前のトラックとの車間距離、ぜんぜん縮まらないでしょ?」

      ことり「そ、そうですね……」アオザメ

      花陽(……だ)ナミダメ

      ダ レ カ タ ス ケ テ ェ ー ! ! ! ! !



      155 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:11:25.71 ID:eYzTRwzP


      にこ「……お願い……お願いよ……」

      真姫「にこちゃん……」

      絵里「……私、ちょっとコンビニ行ってくるわね。なんだかじっとしてられなくて」

      海未「ええ、どうぞ……」

      絵里「みんなは何かほしいもの……って、そんな雰囲気じゃないわね」

      凛「……」

      希「……」



      156 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:12:31.09 ID:eYzTRwzP


      絵里(……あの子、夕張でメロン食べられなかったものね)

      絵里(今日はおごってあげよう。カットメロンくらいなら、すぐ手に入るはず)

      絵里(セイコーマートはどこかしら……)

      ギャゴゴゴゴゴ

      絵里「……え」

      キキィィィィイイイ‼‼‼‼



      157 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:13:41.23 ID:eYzTRwzP


      ザワザワ

      希「な、なんや今の音!」

      凛「控室まで聞こえたよ!?……あっ、あそこ!」

      真姫「ちょっと、エリー!?」

      海未「絵里!大丈夫ですか!?」

      にこ「絵里っ!」

      絵里「」ブクブク



      158 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:14:48.25 ID:eYzTRwzP


      ――あっちゃー、余計な注目集めちゃったね

      ――こんな街の中心で80キロなんて出すからですよ〜!

      ――通行人がみんな引いてるよぉ……

      ――テンニマシマスワレラノチチヨ……



      159 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:16:01.78 ID:eYzTRwzP


      ガチャ

      穂乃果「……た、助かった〜!色んな意味で……」

      ことり「私、どんなジェットコースターだってもう怖くないよぉ……」

      花陽「タスカッタノォ?……」ヨロヨロ

      穂乃果「ああっ、ほら〜!腰抜かしちゃってる人までいる!すみませーんっ!……って、あれ」

      ことり「絵里……ちゃん……?」

      花陽「あ……」

      海未「」

      真姫「」

      希「」

      凛「」

      絵里「」ブクブク

      にこ「……あ、あんた達」

      穂乃果「みんな……」



      160 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:17:13.58 ID:eYzTRwzP


      ことり「ご……ごめんなさいっ!」

      穂乃果「……お、お待たせしました!」

      花陽「ご迷惑おかけしました!」

      ことり「私が悪かったの、私の見通しが甘かったせいで……!」

      穂乃果「そんな、ことりちゃんのせいじゃないよ!お願い、二人を責めないで!悪いのは私だから!」

      花陽「違います!悪いのはグズな私で……!」

      海未「……」ツカツカ

      ギュッ

      穂乃果「あっ……」

      ことり「……ンミチャー」

      海未「よかった……本当によかったです……」グスッ



      161 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:19:05.64 ID:eYzTRwzP


      穂乃果「海未ちゃん、ごめんね……本当にごめん……」ウルウル

      ことり「違うの、穂乃果ちゃんが悪いんじゃないの……」エグエグ

      海未「いいんですよ、もう……」グスッ

      凛「かよちんおそいにゃあ〜〜〜!!!」ビエエエ

      花陽「ごめんね凛ちゃん、ごめんねぇ……」ボロボロ

      希「奇跡や、奇跡がおこったんや!なぁえりち!間に合ったんよ!」ユサユサ

      絵里「」ブクブク

      真姫「……もう、みんなやめなさいよ。周りの人が見てるんだから」

      にこ「……」

      ポタッ

      にこ「!!」ハッ

      にこ「〜〜〜〜〜っ!!!!」グシグシ

      にこ「もぉ、再会くらいで何をはしゃいでんのよ!まだ始まってすらいないのよ!?」

      真姫「……にこちゃんったら」トマトカプッ



      162 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:21:34.64 ID:eYzTRwzP


      海未「一同、礼!」

      9人「ありがとうございましたー!!」

      「みんなの勇姿、ちゃんとカーナビで見るからね。じゃ!」

      穂乃果「前みて運転してくださいね!?」

      プップッ♪

      ブロロロロ……



      163 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:23:09.83 ID:eYzTRwzP


      開場前……

      希「いよいよやね!」

      絵里「穂乃果!本当に挨拶の言葉は大丈夫でしょうね!?どっかに記憶を落っことしたりしてないわよね!?」

      穂乃果「大丈夫だって、これでも毎晩練習してたんだから!」

      ことり「昨日のホテルではバッチリだったよ♪」

      花陽「ああ、もうすぐ生のまりもちゃんに会えるんだね……!」

      真姫「制服、シワになってないかしら」

      凛「ことりちゃんの衣装を着れないのが残念だにゃー」

      にこ「……」ピラピラ

      海未「……にこ」



      164 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:24:26.91 ID:eYzTRwzP


      にこ「どうやら私の出番はなさそうね」

      海未「ちょっと残念でしたね」

      にこ「何が」

      海未「だって、あんなに一生懸命考えたのに、徒労に終わってしまうなんて」

      にこ「使わない方がいいに決まってるでしょ、こんなの」ピラッ

      海未「……そうですね」

      にこ「あんたも、ご苦労だったわね。一緒に考えてくれて助かったわ」

      海未「いえ、お役に立ててうれしいです」

      にこ「……二人一緒にやっちゃう?」

      海未「……そうですね」

      にこ「せーのっ」

      ビリッ……



      165 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:26:35.45 ID:eYzTRwzP


      穂乃果『皆さんこんばんはー!μ’sでーす!』

      「おっ、始まった♪」

      穂乃果『本日はこのフェスティバルにお招きいただき、ありがとうございまーす!そして、開催おめでとうございまーす!』

      「おや、あの子達……おにぎりならいつでも作ってあげるから、今度はみんなでおいで」

      穂乃果『私達、今日ここに来るまでに、いろんな町に行って、いろんな素敵な体験をさせてもらいました!』

      「おい、見てみろよ!ほら、このサイン!あの赤いリボンの子が残してったんだよ!あんな有名人泊めちまったのか、参ったなぁ!」

      穂乃果『時には失敗もしたけれど、そのたびにいろんな人に支えられて……私、この北海道が大好きです!』



      166 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:28:06.85 ID:eYzTRwzP


      フェスティバル終了後……

      【札幌 ラーメン店】

      「へい、味噌バターコーンラーメン!」ドン

      凛「幸せだにゃ〜♪」

      真姫「なんで北海道最後のディナーがラーメンなのよ……」

      海未「ここまで辛抱してくれたのです、今夜は凛の希望を聞いてあげてください」

      ことり(私はニンニク臭さのない函館系がいいなぁ)

      花陽「ああ、生のまりもちゃんはやっぱり最高でした!舞台の上では純情可憐、だけどプライベートは姉御肌!この二律背反がたまらないんだよねぇ!今度発売されるファースト・シングルも楽しみです!」ペラペラ

      絵里「そ、そうね……穂乃果、花陽って旅行中ずっとこんな調子だったの?」ヒソヒソ

      穂乃果「うん、ずーっとハイテンションだったよ」ツルツル

      凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー!」ズルズル

      希「……な、にこっち」

      にこ「んー?」ハフハフ



      167 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:29:22.03 ID:eYzTRwzP


      希「フェリーのお風呂で話したことの続きやけどな」

      にこ「ああ、穂乃果にあって私にないもの……」

      希「あれな、深く考える必要ないと思うんよ。鵜の真似をするカラスって言うやろ?」

      にこ「私はカラスの方ってこと?腹立つ言いぐさね」

      希「まあ聞いて。確かに鵜は水に潜って魚を取ることができる。それはカラスにはない能力や。

      けどな、カラスにしかできないことだって、たくさんあるんよ」

      にこ「……それで?」

      希「誰でも自分の美質を見極めて、それを最大限に活かすべきってこと。にこっちはまだ、自分がアイドルとして開花しきったとは思ってないやろ?」

      にこ「う……ま、まあね。まだどこの事務所とも契約してないし」

      希「なら、まずは究極のにこにーを編み出すことを考えたらええと思うんよ。周りから謙虚に学ぶことも、確かに大切やけどね」

      にこ「……そう、なのかな」



      168 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:30:49.29 ID:eYzTRwzP


      希「それにしても、今日はちょっと意外やったわ。にこっちがパフォーマンスより穂乃果ちゃんへの愛を優先するなんて」

      にこ「なーに言ってんのよ。アンタがつけたんでしょ、μ’sって名前。だったら9人揃うまで待つのは当然でしょ」

      希「とか言っちゃって、本当は少しにっこにっこにー♪したかったんちゃう?」

      にこ「別に!……だって」

      希「だって?」

      にこ「……私は、アイドル研部長としてのにこより、μ’sの一員としてのにこの方が好きなのよ!悪い!?//」

      希「にこっち……」

      にこ「なによ」

      希「……よう言った!うちもそんなにこっちが大好きや!」ギュウ

      にこ「わ、ちょっと!こぼれる!」

      希(……おっと、これ以上やったらいらん恨みを買いそうや)

      真姫「……」ギロギロ



      169 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:32:46.65 ID:eYzTRwzP


      そして、あっという間に最終日……

      【苫小牧・海岸】

      真姫「太平洋を見るのも、久しぶりね」

      凛「またみんなで来れるといいにゃー」

      花陽「あっ、これが真姫ちゃんが見たっていうハマナスだね」

      凛「ほんとだ、花もきれいだけど実が可愛いね」

      真姫「……」

      凛「真姫ちゃーん?」

      真姫「おいしくない……」

      花陽「タベチャッタノォ!?」



      170 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:35:02.27 ID:eYzTRwzP


      【苫小牧フェリーターミナル】

      にこ「……あっという間だったわね」

      希「こうしてみんなとお出かけできるの、あと何回やろなぁ……」

      にこ「ちょっと……やめなさいよ、そういう湿っぽいの」

      絵里「ううっ……」ポロポロ

      希「あ、えりち……」

      にこ「ほらみなさい、μ’sには脆い子もいるんだから」スンッ

      絵里「ぐすっ……え、え、」

      絵里「エリチカお船やだぁ〜!」ビエーン

      にこ「……は?」

      希「そっちかーい!!」



      171 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:38:21.46 ID:eYzTRwzP


      絵里「もうあんな思いはお断りよぉ!新千歳から飛行機に乗るのぉ!」

      希「飛行機なんてろくなもんやないって!耳はキーンとなるしずうっと座りっぱなしやし!」

      絵里「じゃあエリチカおうち帰んない!」

      希「落ち着き!そこのおみやげコーナーでとうきびチョコ買お、な!」

      にこ「……さーて、私もちび達のおみやげ考えないと」スタスタ



      172 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:39:42.16 ID:eYzTRwzP


      【再び、フェリー】

      明朝、太平洋上……

      海未「穂乃果!ことり!早くはやく!」

      穂乃果「ほぇ……私眠いからパス」

      ことり「だーめ♪」

      穂乃果「むー、ずっと楽しみにしてた海未ちゃんはともかく、なんでことりちゃんまでシャッキリしてるのさ」

      ことり「それが……実はお気に入りの枕忘れて、寝てもすぐ目が覚めちゃって」テヘ

      穂乃果「なるほど」



      173 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:45:02.15 ID:eYzTRwzP


      ビュウオオオ

      穂乃果「やっぱり寒っ!また一気に目ぇ覚めちゃった!」

      海未「あっ、ほら!昇ってきますよ!」

      ことり「すごいねぇ……これを毎日見てる船乗りさんが羨ましい……」

      海未「いい詞が浮かびそうです……」

      穂乃果「インパクトあるよね……」

      海未「……楽しかったですね、北海道。次はみんなでどこに行きましょうか」

      ことり「今度はもっともっと遠い、外国に行きたいね♪」

      穂乃果「じゃあさ……でっかくニューヨークなんてどうかなっ!」

      おしまい



      176 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 07:52:37.18 ID:jBAUIpVw


      乙!北海道行きたくなって来たw



      178 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 08:02:35.93 ID:eYzTRwzP


      ※言うまでもなくこのSSはフィクションです。
      実際の人物・団体・道路交通事情とは一切関係ありません。
      ドライバーの方々、くれぐれも最高速度は遵守してください。

      実は2013〜2014年にはなかった観光スポットを一つ出して、歴史改変をやらかしてしまいました。
      架空のドームやらでっち上げのスクールアイドルやら、色々とインチキしてるので今更かもしれませんが……さて、どこでしょう?



      179 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 09:14:26.84 ID:0OpQvhC2


      Oasis発見にゃ〜



      181 :名無しで叶える物語 :2016/04/30(土) 11:19:45.89 ID:oLl/WhTS


      乙乙
      面白かった



      186 :名無しで叶える物語 :2016/05/01(日) 06:13:21.88 ID:TC8VZjBv


      >>178

      函館の明治館には2013年に行ったことがあるけど
      貸衣装屋さんは無かった気がする
      そこかな?



      187 :名無しで叶える物語 :2016/05/01(日) 06:13:21.88 ID:TC8VZjBv

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        引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1461944029/

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